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台湾、中国のパイナップル禁輸に危機感 対日輸出に期待

2月28日、台湾南部高雄市のパイナップル農園を視察した蔡英文総統(右から2人目)(総統府提供・共同)
2月28日、台湾南部高雄市のパイナップル農園を視察した蔡英文総統(右から2人目)(総統府提供・共同)

 【台北=矢板明夫】中国が3月1日から台湾産パイナップルの輸入を突然、停止したことに台湾当局が危機感を強めている。3月から収穫期に入るが、輸出の9割以上を占める中国市場から締め出されたことで、大打撃を受けるからだ。蔡英文総統は「パイナップルを食べて農家を助けよう」と市民に呼び掛けており、日本への輸出拡大にも期待が高まっている。

 台湾の行政院(内閣に相当)農業委員会(農林水産省)の統計によれば、2020年のパイナップル輸出量約4万6千トンの9割以上が中国向けだった。中国は2月26日、検疫で害虫を検出したとして禁輸を一方的に決めたが、台湾当局は昨年に中国に輸出したパイナップルの合格率は99・79%で、安全基準を大きく上回っていると主張した。台湾当局は中国の措置が「政治的嫌がらせ」で「受け入れられない」と反論した。

 中国の禁輸措置を受け、行政院は直ちに10億台湾元(約37億円)の資金を投入し、販路拡大などを支援した。蔡氏、頼清徳副総統、蘇貞昌行政院長(首相)らは連日のように各地の農家などを回り「政治的圧力に屈しないことを中国に知らしめよう」と結束を訴えた。台湾の企業や個人は相次いでパイナップルを大量購入し、ウェブサイトで開かれた「専売コーナー」では2月27日の1日だけで23トン以上が売れた。

 台湾の大手紙、自由時報によると、南部の台南市でラーメン店を経営する日本人、野崎孝男さん(46)らは東日本大震災が起きた2011年の3月11日にちなんで、3110個(約6トン)のパイナップルを購入した。「10年前の震災支援の恩返し」として、これからラーメンを注文する来店客に一つずつプレゼントするという。

 台湾当局は地元でパイナップルの消費を促すほか、中国以外への輸出も拡大することにしている。

 農業委員会の陳吉仲主任委員(閣僚)は2日、「台湾産パイナップルは近年、日本に向けた輸出が拡大している。昨年は3千トン未満だったが、今年は5千トンを目指したい」と表明した。

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