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ミャンマー、クーデター1カ月 国軍、国民の怒り見抜けず混乱長期化

28日、ミャンマー・ヤンゴンで治安部隊と衝突し身を守るデモ参加者(ロイター)
28日、ミャンマー・ヤンゴンで治安部隊と衝突し身を守るデモ参加者(ロイター)

 【シンガポール=森浩】ミャンマーで国軍によるクーデターが起きてから1日で1カ月。国軍はクーデターの既成事実化を進めており、欧米諸国が発動した制裁の影響も限定的とされる。だが、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)が大勝した選挙結果が覆されたことへの国民の怒りは強い。強権に反発する抗議活動は激化の一途をたどっており、混乱収束の兆しは見えてこない。

 国軍のシナリオはクーデターでNLDから政権を奪い、1年間の非常事態宣言後に実施する“公正な”総選挙を経て親軍政権を樹立する-というものだ。民主派勢力の象徴であるスー・チー氏については微罪での訴追で勾留を長期化させ、立候補を阻止する考えだ。

 国軍はこの1カ月の間、最高意思決定機関「国家統治評議会」設置や、昨年11月の総選挙結果の取り消しを通じ、権力基盤を固める動きを進めた。2月24日にはタイに外相を派遣。近隣の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国に接近し、クーデターへの理解を求めた。

 欧米諸国は民主化の後退などを理由に国軍幹部や国軍系企業への制裁を発動したが、特恵関税制度の撤廃など本格的な制裁は市民生活に影響が出かねず慎重になっている。国軍は16日の会見で「制裁は織り込み済み」とも述べ、現状では意に介する様子はない。

 国軍にとっての誤算は、強引な政権奪取への国内の反発だ。国民の間にはストライキを通じて抗議の意思を示す「市民不服従運動」が広がり、行政や経済活動、地域医療がまひしつつある。拡大する抗議デモは、犠牲者が出る中でも収束の気配が見えない。少数民族などNLD政権に不満を持っていた層から支持を得られるとの期待もあったとみられるが、逆に「反軍政」で民主派と一致する動きも見せる。

 外交筋は「現状はまだ国軍も武力の使用を自制している」と分析しているが、先行きは不透明だ。デモを制御できないと判断すれば1988年や2007年と同様、国軍が大規模な武力鎮圧に出るとの懸念が高まっている。

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