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イラン、23日にIAEAの抜き打ち査察受け入れ停止へ

20日、イラン原子力庁の報道官と話す国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(右)=テヘラン(同庁提供、AP=共同)
20日、イラン原子力庁の報道官と話す国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長(右)=テヘラン(同庁提供、AP=共同)

 【カイロ=佐藤貴生】イランは23日、核合意の履行状況を検証してきた国際原子力機関(IAEA)の「抜き打ち査察」の受け入れを停止する見通しだ。バイデン米政権に対し、トランプ前政権が科した経済制裁を21日までに解除するよう求めてきたが、応じなかったことへの対抗措置だとしている。査察の制限で核開発活動の完全な検証が困難になる恐れがある。

 ロイター通信によると、事態を懸念したIAEAのグロッシ事務局長は21日、イランで同国高官らと会談。その結果、IAEAは抜き打ち査察の受け入れが停止された後も約3カ月間、必要な検証活動を行うことで同国と合意した。具体的な活動内容は不明。

 抜き打ち査察は2015年の核合意に基づく「追加議定書」で規定されており、イランが議定書の履行を停止すれば未申告施設への査察ができなくなる。中東のメディアでは、核関連施設などにIAEAが設置した監視カメラも使用不能になるとの見方も出た。

 イランは査察の受け入れ停止は核合意の破棄を意味しないと主張。同国内に常駐する査察官の数も維持される見通しで、IAEAとの協力関係を継続するとしている。

 イランには、査察を制限して核開発の実態を見えにくくすることで、米側に制裁解除の圧力をかける狙いがある。イランにとって米制裁は欧州との原油や金融の取引正常化の障害となっており、国内経済は低迷の一途をたどっている。

 こうしたなか、バイデン政権は18日、イラン側と対話の用意があると表明した。一方で、イランが核開発を合意規定の枠内に戻すのが先だという姿勢は変えていない。

 19日には、欧州連合(EU)が米国を含む核合意の全当事国による非公式会合の開催に向けて準備する方針を示した。米、イランが互いに相手に行動するよう求めて交渉が立ち往生する中、双方の間を調停する狙いだ。

 ただ、非公式会合が実現するとしても、開催までに時間がかかればその分だけイランの核開発の実態が不透明になる。イランのアラグチ外務次官は非公式会合への参加の可否について、「ロシアや中国などと協議して回答する」と述べ、両国との連携を強化する意向を示唆しており、核合意をめぐる対立は長期化する懸念が強まっている。

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