米、ナチ元看守を独に移送 95歳、最後の追放対象か
米政府は20日、第2次大戦中にナチス・ドイツの強制収容所の看守を務めた米国在住のドイツ国籍の男(95)を同国に移送した。男はドイツ当局の尋問を受ける。米国に約60年暮らし、米司法当局は昨年、過去の経歴を基に国外追放を命じた。米国が追放する最後のナチス関係者の可能性がある。欧米メディアが伝えた。
米司法省や報道によると、男は大戦末期の1945年、ドイツ北部にあったノイエンガメ強制収容所の支所で勤務した。現地ではユダヤ人やロシア人ら収容者が残酷な条件下、野外での強制労働に就いていた。
男は当時19歳で、収容者の逃亡を防ぐため、監視に当たったことは認めたが、収容所にいたのは数週間で、残虐行為は目にしなかったと話したという。戦後の59年から米国で暮らしていた。男が今後、ドイツで裁判を受けるかどうかは不透明という。(共同)