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日本「早期のWTO改革に期待」 対中姿勢注視の声も

閣議後会見でWTO事務局長決定について話す梶山弘志経済産業相=16日、経済産業省(那須慎一撮影)
閣議後会見でWTO事務局長決定について話す梶山弘志経済産業相=16日、経済産業省(那須慎一撮影)

 世界貿易機関(WTO、本部・ジュネーブ)の次期事務局長にナイジェリアのオコンジョイウェアラ元財務相(66)が正式承認された。日本政府関係者は中国の国有企業への補助金支出問題や知的財産権侵害などに対処する国際ルールを含め「WTOルールの厳格化を緩めることなく進めていかなければならない」と話すが、自民党内からは中国の影響力が強いアフリカ出身者の起用を不安視する声も出ている。

 オコンジョイウェアラ氏承認を受けて、梶山弘志経済産業相は16日の閣議後記者会見で、「WTO改革、紛争解決が重要と思っている。そうした、今足らざるところをしっかり加盟国と連携しながら解決するリーダーシップを期待する」と語った。

 政府関係者は、「支持が一番多い候補を事務局長として早く選出できるよう、茂木敏充外相も各国にずっと働きかけてきた」と明かし、選出で一区切りがついたとの認識を示した。

 最終選考で米国が推した韓国産業通商資源省の兪明希(ユ・ミョンヒ)通商交渉本部長(53)は日本の輸出管理措置を不服としてWTOに提訴した韓国の高官で、日本は欧州連合(EU)などとともにオコンジョイウェアラ氏を支持してきた経緯がある。一方で、この政府関係者は「事務局長選出以上に、山積するWTOの課題解決が大事であり、早期に進めてもらいたい」と今後の対応を注視していく考えを示した。

 別の政府関係者も中国が国有企業存続のために鉄鋼産業などに補助金を出しているとされる問題や知的財産権侵害などに対処する国際ルールの厳格化の重要性を指摘。「今後、WTO改革を進めつつ、日米EUや英国を含め『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』を通商、経済面でも強固なものにしていく必要があり、日本としてもさらに強い外交努力が求められる」と課題を口にする。

 経済安全保障に詳しい自民党幹部は「米国のトランプ前政権が中国との近さを危惧して反対してきた事実があり、中国に厳しい態度を取れるのか、見極めないとならない」と慎重な見方を示す。

経済界は歓迎

 一方、経済界からは約半年にわたるトップ不在の解消や通商交渉の進展への期待から、歓迎の声が上がった。

 「国際機関で有名な方で、その能力が評価されて来ていた」。経済同友会の桜田謙悟代表幹事は16日の会見で、オコンジョイウェアラ氏についてこう述べた上で、今後のリーダーシップに期待を寄せた。

 日本貿易会の小林健会長も「コロナ禍で世界経済が混乱をきたす中、事務局長不在という事態が解消されることを歓迎する」とコメント。その上で「その指導力を存分に発揮し、諸課題の改革に取り組んでいただきたい。日本政府にはWTOの機能回復・強化に向けた改革を支援していただきたい」と要望した。

 最後まで候補に残った兪氏が選出されなかったことに安堵(あんど)する声も。経済同友会の桜田氏は「自国の利益になる判断をするという前提に立つのならもちろん困る。(WTOは)そういう人が選ばれないようにするという知恵が働く組織だと私は思っている」と語った。

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