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コロナ起源調査は長期戦 中国が妨害か

中国側の関係者(中央)と記者会見に臨むWHO国際調査団のメンバー=9日、中国・武漢(共同)
中国側の関係者(中央)と記者会見に臨むWHO国際調査団のメンバー=9日、中国・武漢(共同)

 【ロンドン=板東和正】中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスの起源を探った最初の調査は、情報の収集に難航したもようだ。世界で最初に集団感染が確認された「華南海鮮卸売市場」の調査はわずか1時間強で打ち切られた。新型コロナの発生から1年以上が経過し、流行当時の現場環境も残されていなかった。さらに踏み込んだ調査が求められるが、感染源の解明は長期戦が予想される。

 ウイルスの起源を突き止めるには通常、感染症発生時の患者のデータや感染地域に生息する野生動物のサンプルの検証などを、長期間にわたって実施する必要があるとされる。

 SARS(重症急性呼吸器症候群)はコウモリから人に感染した可能性が高いと発表されるまで、2002年~03年の流行から10年以上かかった。今回の調査団メンバーは新型コロナの起源解明に数年かかるとの見方を示した。しかし、新型コロナは無症状の感染者からもウイルスが広がるため「感染源の特定はSARSよりも難しく、より長い年月を費やす」(英メディア)との見方がある。

 ただでさえ困難な調査に今回は「悪条件」が重なった。新型コロナが確認されてから1年以上も、感染爆発の発生源となった武漢市で調査ができなかった。

 調査団は1月31日に華南海鮮卸売市場に調査を行ったが、感染拡大を受けて閉鎖された市場の敷地内は徹底的に消毒され、起源解明に結び付く成果はほとんどなかったとみられる。

 さらに、新型コロナ流行の「中国起源」説を警戒する中国政府が、調査団に必要な情報を積極的に開示したかどうか、疑問が残る。

 感染拡大の経緯解明のために不可欠とみられてきた華南海鮮卸売市場の立ち入り調査が1時間強で終了した一方、調査団は中国共産党がコロナへの「勝利」を誇示するために開いている展覧会を訪問している。

 展示内容は科学研究との関連性が低く、中国側主導で調査日程が組まれていることをうかがわせた。中国側の専門家は今月9日の会見で調査団を支援してきたと強調したが、ブリンケン米国務長官は「中国は情報の提供について(期待される)基準をはるかに下回っている」と非難している。

 感染症を研究する英専門家は「調査団は行動の多くを(中国側に)コントロールされ、自由に動けなかった」と中国側の妨害があったとの認識を示し、より独立した調査を行うべきだと主張した。

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