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ミャンマー国軍、少数民族取り込み図る 全土で10万人がデモ

8日、ミャンマー・ネピドーでデモ隊に放水する警察当局(ロイター)
8日、ミャンマー・ネピドーでデモ隊に放水する警察当局(ロイター)

 【シンガポール=森浩】クーデターで実権を握ったミャンマー国軍が少数民族の取り込みを進めている。新設された最高意思決定機関「行政評議会」メンバーにも少数民族出身者を登用した。アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)政権は少数民族武装勢力との和平推進を公約としたが成果は乏しかった。国軍は和平を実現させ、新軍事政権の実績としたい考えだ。

 クーデターから1週間が経過した8日、ミャンマーでは国軍に抗議するデモが3日連続で行われ、全土で10万人以上が参加した。首都ネピドーでは、警官隊がデモ隊に放水して強制排除を行った。国軍は同日、国営放送を通じて「国家の安定を破壊する犯罪には法に基づいた行動がとられる」とデモ活動に警告を発し、緊張が高まっている。

 ミャンマーでは1948年の独立以来、人口の約7割を占めるビルマ族による支配に不満を抱く少数民族武装勢力が活動を続けてきた。主要16勢力のうち、国軍系政党によるテイン・セイン政権(2011~16年)は8勢力と停戦協定を結んだが、NLD政権下では2勢力にとどまった。国軍がNLD主導の和平協議に対して非協力的だったことが不調に終わった理由の一つだ。

 国軍トップのミン・アウン・フライン総司令官は、1日のクーデター後、優先政策として武装勢力との和平実現を掲げた。行政評議会メンバーの1人に西部ラカイン州の有力政党、アラカン民族党出身者を起用。ラカイン州では武装勢力「アラカン軍」が活動しており、近年は国軍との間で国内でも特に激しい戦闘が展開されていた。地元出身者を起用することで、NLDが実現できなかった和平を推進したい思惑がある。

 一方、既に停戦協定を結んでいる10武装勢力は声明でクーデターを批判。東部カイン州を拠点とするカレン民族同盟は「民主化プロセスを阻害し、国の将来に悪影響を及ぼす」と国軍を非難しており、強硬手段で政権を奪取した国軍と停戦が維持できるのかという不安も漂っている。

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