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ミャンマー・クーデター1週間 「軍に有利な政治への回帰」 上智大教授 根本敬氏

ミャンマーの最大都市ヤンゴンで7日、国軍のクーデターに抗議するデモに参加した若者たち。アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)のシンボルカラーである赤色の服を着用する参加者も見られた(産経新聞通信員撮影)
ミャンマーの最大都市ヤンゴンで7日、国軍のクーデターに抗議するデモに参加した若者たち。アウン・サン・スー・チー国家顧問率いる国民民主連盟(NLD)のシンボルカラーである赤色の服を着用する参加者も見られた(産経新聞通信員撮影)
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 ミャンマー国軍のクーデターから1週間がたち、動機や狙いが見えてきた。国軍の言いなりになる政権を発足させ、軍の影響力が強い憲法の枠内で、経済改革や自由化を進めていくつもりだ。国軍系の連邦団結発展党(USDP)の主導で改革が進んだ、軍出身のテイン・セイン元大統領(2011-16年在任)の時代に回帰したいのだろう。

 そうした意図が端的に表れたのが、テイン・セイン政権期の元閣僚や国軍出身者が多くを占めた新閣僚の任命だ。同政権は軍と協調し、国軍系の大手企業ミャンマー・エコノミック・ホールディングスに優良外資と合弁事業を組ませた。それにより国軍の利権は強まり、そのほか多くの外資の参入もあって経済は急速に成長した。

 国軍にとって想定外だったのは、16年の総選挙で勝利した国民民主連盟(NLD)が、大統領に助言できる国家顧問のポストを新設し、そこに民主化運動の象徴的存在のアウン・サン・スー・チー氏が就任したことだ。

 1期目はやむなく従ったものの、昨年の総選挙でUSDPは再度敗北。スー・チー氏の指導の下で、新たに5年間、国軍の権限を削るような憲法改正の提案が相次ぐのは耐え難かったのだろう。阻止すればするほどNLDへの支持が高まり、国際世論も国軍に不利になるからだ。

 クーデター後、ミン・アウン・フライン総司令官が「憲法を守るための権力移譲だ」と述べたことは、憲法を変える政府は不要だという意図の裏返しだ。

 憲法上、非常事態宣言は2年まで延長できる。スー・チー氏やNLD党員が立候補できないような仕組みで総選挙を実施し、USDPに政権を奪還させることを目指すのではないか。あるいは国軍自ら改憲して軍人議員の比率を引き上げ、USDPと合わせて過半数を取りにいくのかもしれない。(聞き手 平田雄介)

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