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【千夜一夜】酒はこっそりと買う

 新型コロナウイルスの感染拡大で海外出張の機会が減り、外国で買った洋酒が残り少なくなった。そこで筆者は、常駐するエジプトの首都カイロで手に入る国産のウイスキーを買っている。選べばうまいものもあるし、国産のビールはすでに愛飲している。

 イスラム教の聖典コーランは飲酒を禁じている。だから酒の販売はキリスト教の一派、コプト教徒の仕事だ。買った酒は持ち帰る際に外から見えないよう、必ず黒いポリ袋に入れて渡される。日の出から日没まで一切の飲食が禁じられるラマダン(断食月)の1カ月の間はすべての店が閉まるので、事前に買い込んでおかなくてはならない。

 イラクの首都バグダッドに出張したとき、現地の知人に「ビールを飲みたい」といったら、看板も何もない建物に連れていかれた。小窓をたたくと「何が欲しい?」と中から人が顏を出した。奥をのぞくとビールや洋酒がずらりと並んでいた。イラクでも酒の販売は少数派のキリスト教徒やヤジド教徒の仕事だ。

 過激なイスラム教徒の中には、飲酒は決して許せないと思っている者がいる。だから、どちらの国でもまれに酒の販売店への襲撃事件が起きる。日本では考えられないことだが、カイロで酒を買うときには周囲の様子に気を配るようにしている。(佐藤貴生)

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