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【めぐみへの手紙】85歳…一人の時間が増え 「なぜ救えない」自問の日々

昨年11月、キリスト教の支援者による「祈り会」が200回目を迎え、贈られた花を手に謝辞を述べる横田早紀江さん=東京都中野区(中村翔樹撮影)
昨年11月、キリスト教の支援者による「祈り会」が200回目を迎え、贈られた花を手に謝辞を述べる横田早紀江さん=東京都中野区(中村翔樹撮影)

 めぐみちゃん、こんにちは。あなたを救い出せないまま、また一年が過ぎ、新しい年を迎えてしまいました。昨年、お父さんが天国に召されてから、飛ぶように時間がたちました。お母さんも4日で85歳を迎えました。新型コロナウイルスの災厄が世界に広がる中で、拉致事件解決への展望が見えず、焦りや怒りが募りますが、めぐみちゃんたち被害者全員が祖国の土を踏めることを信じて、祈り、訴え続けています。

 クリスマス、そして大みそか。めぐみちゃんがいたころのわが家は、それはにぎやかでしたね。年の瀬を過ぎれば、すがすがしいお正月を迎えたものです。お母さんは今、一人の時間が長くなり、己の人生を振り返り、世の中の動きを見つめ、思いをめぐらせています。

 「なぜ、めぐみたちは連れ去られてしまったのか」「なぜ、これほど長い間、救えないのか」

 答えの出ない自問は尽きず、永遠のように続きます。年の瀬から皆さまへのご連絡は電話やメールにとどめました。お父さんが天に召され、年賀のごあいさつもできず、時間があっという間に過ぎました。

 最近、日本は厳しい寒さです。北朝鮮にいるめぐみちゃんたちは、より過酷な生活を強いられていることでしょう。じっとそんなことを考えると、本当に胸が張り裂けそうになります。

 被害者と家族、日本の国民、そして拉致解決を祈る世界中の皆さまの思いに支えられて救出運動は大きく前進しました。でも、すべての被害者が帰国しなければ、解決ではありません。

 時の流れは等しく、人は老い、病んでいきます。再会を待ち望む私たちに、残された時間は本当に、本当にわずかです。

 日本政府、政治家、官僚の皆さま。被害者を最後に救うのは、国家の力に他なりません。今、この瞬間も大切な時間が過ぎていきます。知恵を絞り、国会などの真剣な議論を通して、どうか、わがこととして、一命を賭して、拉致問題をすっきりと解決させ、世界に平和をもたらしてください。そう一心に祈りながら日々を過ごしています。

 昨年は、これまでにも増して、むなしさと焦燥感が募る一年でした。2月に有本嘉代子さんが94歳で天に召され、7月には地村保さんも93歳で旅立たれました。

 お母さんもどんどん年を取るだけで、誕生日はちっともうれしくありません。講演で全国を回るようなことは、とてもとても、できない状態です。体中に衰えを感じ、声が出にくくなり、ひとつづきに話そうとすると息が切れます。

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