EU アストラゼネカのワクチン販売承認 「高齢者にも有効」
【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、英製薬大手アストラゼネカが開発した新型コロナウイルスワクチンの域内販売を承認した。ドイツの専門家委員会は「接種の推奨は64歳以下にすべき」との見解を示していたが、欧州委は接種年齢に上限を設けなかった。
アストラゼネカのワクチンは、英オックスフォード大と共同で開発。独専門家委員会は28日、このワクチンは65歳以上への効果を証明するデータが足りないと指摘していた。欧州委の承認に先立ち、欧州医薬品庁(EMA)は29日、ほかのワクチンについての結果や年齢に応じた免疫力を考慮すると、高齢者にも有効だとする見解を出した。
欧州委による新型コロナワクチン承認は3件目。すでに域内では、米製薬大手ファイザー、米バイオ企業モデルナのワクチン接種が始まっている。
欧州委は昨年夏、アストラゼネカと最大4億回分のワクチン購入で事前合意を交わした。同社は22日にEUへの納入量の削減を通告し、双方の対立が続いている。