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拘束警告・刑事訴追…露、ナワリヌイ氏の帰国阻止に躍起

聴衆を前に演説するロシアの反体制派ナワリヌイ氏=2019年7月、モスクワ(AP)
聴衆を前に演説するロシアの反体制派ナワリヌイ氏=2019年7月、モスクワ(AP)

 【モスクワ=小野田雄一】何者かに毒物で襲撃され、ドイツで治療を受けていたロシアの反体制派指導者、ナワリヌイ氏が「17日にロシアに帰国する」と表明したことに対し、露政権が帰国を阻止しようとする動きを強めている。露司法当局は14日、同氏が帰国すれば即座に拘束する方針を明らかにした。ただ、実際に同氏を拘束した場合、国内外から強い批判を招くのは確実で、露政権は苦しい立場に置かれている。

 ナワリヌイ氏は13日、17日に航空便でドイツから帰国するとツイッターで表明。これに先立ち、今秋に予定されている露下院選に向け、反体制派勢力を支援する意思も示していた。

 これに対し、露司法当局は14日、「ナワリヌイ氏は過去の事件で執行猶予中であるにもかかわらず、当局の出頭要請に応じなかった」などとして、昨年末に指名手配したと公表。同氏を発見次第、拘束するとした。さらに司法当局は同氏の執行猶予を実刑に切り替える手続きも進めている。

 露捜査当局も昨年末、ナワリヌイ氏が自身の団体「汚職との戦い基金」などへの寄付金5億8800万ルーブル(約8億3000万円)の一部を私的流用したとして、同氏を詐欺罪で刑事訴追した。

 一連の動きの背後には、ナワリヌイ氏の帰国を阻止したい露政権の思惑があるとみられている。プーチン大統領の支持率は現在、過去最低の6割程度まで低下。一方、意識不明の重体から生還したナワリヌイ氏は存在感を増しており、帰国して政治活動を行えば政権側には脅威となる。ナワリヌイ氏は「政権側の動きに興味はない」と述べ、予定通り帰国する構えだ。

 また、多数のナワリヌイ氏の支持者がモスクワ近郊の空港で同氏を出迎える計画を立てている。政権側は新型コロナウイルス対応として大規模な集会を禁止しており、空港で混乱が起きる可能性もある。

 ナワリヌイ氏は昨年8月、露国内線の旅客機内で倒れ、露病院を経て独病院に移送。欧米側の調査機関は、同氏が旧ソ連軍が開発した神経剤「ノビチョク」系の毒物で襲撃されたとの分析を公表した。英調査報道団体は12月、「露連邦保安局(FSB)が事件を実行した」とする独自の調査結果を発表。ナワリヌイ氏も「プーチン大統領が暗殺を指示した」と主張している。

 露政権は「事件は欧米側による反露情報工作だ」とし、関与を否定している。

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