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ロンドン医療崩壊の危機 30人に1人が感染 病床不足

患者を搬送するため、ロンドン市内の病院に到着した救急車=2日(ゲッティ=共同)
患者を搬送するため、ロンドン市内の病院に到着した救急車=2日(ゲッティ=共同)

 【ロンドン=板東和正】英国で新型コロナウイルス感染者が急増し、医療崩壊の危機が迫っている。首都ロンドンでは約30人に1人が新型コロナに感染した状態にあると推計され、入院患者が殺到する医療機関で病床が不足している。医療現場の逼迫(ひっぱく)を受けて新型コロナによる死者数は欧州最多となっており、英政府はワクチン接種の加速に状況改善の望みをかける。

 「(増加する感染者に)対応できなくなる不安を感じている」。ロンドン市内の病院に勤める男性医師は英紙タイムズにこう訴えた。男性の病院では、新型コロナの入院患者増加に伴い、以前は44床だった集中治療用のベッドを120床まで増やした。それでも足りず、さらに30床増やす方針が決まった。

 英国では、昨年12月から感染力が強いとされるコロナ変異種が猛威を振るい、累計感染者数は約322万人と世界で5番目。中でも、最近の感染者の約8割が変異種とされるロンドンの状況は深刻だ。英国家統計局によると、昨年12月27日から今月2日までの期間で約30人に1人が感染状態にあったと推計され、ロンドンのカーン市長は8日、感染拡大が「制御不能」になったと宣言した。英政府のウィッティ首席医務官も11日、ロンドンなどで「今後数週間は最悪の(感染)状況を迎える」と危機感をあらわにした。

 英メディアによると、状況が悪化した場合、今月下旬までにロンドンで約5400の病床が不足する恐れがある。救急医療体制は限界に達しつつあり、ロンドンの救急隊員は今月、救急車を最大12時間待った患者がいたと語った。十分な医療サービスが受けられない患者が増える中、英政府は13日、新型コロナで新たに1564人が死亡し、1日当たりの死者数が過去最多となったと発表した。

 医療が逼迫する背景には、保守党政権が近年とった緊縮財政に伴う公的支出の抑制で、医療水準が低下したことがある。英国では10万人当たりの利用可能な医療用ベッドが欧州主要国の中で最も少なく、医療従事者も不足している。

 頼みの綱となるのがワクチンの存在だ。英政府は2月半ばまでに高齢者など約1500万人に接種する目標を掲げ、今月11日から競馬場やサッカー場などを活用して国内7カ所に大規模な接種施設を開設。24時間接種できる態勢も早期に整える方針だ。

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