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金正恩氏、10年目に直面した「最悪の難局」 自信満ちた5年前と一変

北朝鮮の第8回朝鮮労働党大会で開会の辞を述べる金正恩党委員長=5日、平壌(朝鮮中央通信=共同)
北朝鮮の第8回朝鮮労働党大会で開会の辞を述べる金正恩党委員長=5日、平壌(朝鮮中央通信=共同)

 【ソウル=桜井紀雄】約5年ぶりに北朝鮮最大の政治イベントといえる朝鮮労働党大会に臨んだ金正恩(キム・ジョンウン)党委員長は、前回党大会とは様相が変わった。大会冒頭で経済策の失敗を全面的に認めたのだ。父、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去による最高指導者就任から10年目を迎えたものの、想定外の事態に相次ぎ見舞われ、かつてない苦境に直面している。

 「最悪の中の最悪が続いた難局は大きな障害をもたらした」。正恩氏は5日の党大会の開会の辞でこう前置きしつつ、経済5カ年戦略の目標未達成を認めた。

 核・ミサイル実験の成果を誇示して自信にあふれていた5年前の演説にはなかった一面だ。2019年のベトナム・ハノイでの米朝首脳再会談での物別れという挫折もあったが、「最悪の難局」は新型コロナウイルス対応だったといえる。

 党大会では、全国から参加した約7千人が一堂に会したが、出席者にマスク姿は見当たらなかった。感染者「ゼロ」の建前をアピールする狙いのようだが、参加者は昨年12月下旬には平壌入りしており、検査など事前対応に苦心し、時間を要した可能性もある。

 何より、新型コロナの防疫に伴う中国との国境封鎖で、対中貿易総額は、昨年11月には前年同月比99・5%も急減した。経済の生命線であるはずの中朝交易がほぼ停止した状態だ。

 昨年報じられた正恩氏の公開活動も計54件に激減した。ピークの13年に比べ、4分の1以下の少なさで、コロナを避けたとみられる“引きこもり”期間も長期間に及んだ。現地視察を側近らに任せ始めた側面もあるが、頻繁な視察で権威を保持してきた北朝鮮の指導者にとっては、求心力の低下にもつながりかねない。

 正恩氏は、党大会を機に「国家の復興発展と人民の幸せのための闘争は新たな段階に移る」と主張。「前進を阻む挑戦は外部にも内部にも存在する」と指摘し、「障害となる欠陥を大胆に認め、断固たる対策を講じるべきだ」と語った。ただ、経済や対外環境をとっても好条件は見いだせず、具体的な改善策をどこまで示せるかは不透明だ。

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