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イランの20%濃縮を欧米批判 核合意の行方、不透明に

イスラエルのネタニヤフ首相(右)(ロイター=共同)
イスラエルのネタニヤフ首相(右)(ロイター=共同)

 【カイロ=佐藤貴生】イランが中部フォルドゥの地下核施設で核兵器級に近づく濃縮度20%のウラン製造に着手し、欧米などから2015年の核合意の重大な違反に当たるとして批判が相次いでいる。米次期大統領就任を確実にしたバイデン前副大統領はイランとの対話再開を模索する意向を示してきたが、先行きは不透明になってきた。

 ロイター通信によると、米国務省の報道担当者は4日、「核による恐喝だ」とイランを非難。イスラエルのネタニヤフ首相も「イランの核兵器製造は許さない」と警告した。一方、欧州連合(EU)の欧州委員会は5日、「強い懸念」を表明しながらも合意維持の重要性を強調した。

 濃縮度20%のウラン製造開始は4日、イラン政府報道官が明らかにした。同国原子力庁報道官は同日深夜に濃縮度が20%に達するとの見通しを示していた。

 ウランは濃縮度が20%になると、核兵器転用が可能な濃縮度90%のウラン製造が容易になるとされる。15年の核合意が規定した濃縮度の上限は3・67%。イランは米国の合意離脱と制裁再開に対抗し、約4・5%まで濃縮度を高めていた。

 イランは核合意の締結前、がん治療を目的に濃縮度20%のウラン製造に成功したと表明したことがある。同国のザリフ外相は4日、合意の全当事国が規定を順守すれば、イランも合意に立ち戻る意思があるとツイッターに投稿した。

 トランプ米政権が再開した制裁でイラン経済は悪化の一途をたどっている。イランには、米政権交代をにらんで強硬姿勢を誇示し、米国に合意復帰や制裁解除を促す意図がありそうだ。欧州の当事国である英仏独に対し、合意に盛り込まれた金融・原油取引の履行を迫る狙いもうかがえる。

 バイデン氏はイラン側の規定順守を条件に合意に復帰する意向を示してきたが、イランの弾道ミサイル開発や周辺国への影響力行使に懸念を示すなど、現行の合意内容は不十分との見方も示している。イランと米側の隔たりが広がる中、早期の関係改善は困難との見方が強まっている。

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