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【世界の論点】2021年、米中展望  現在の中国軍は過去とは別格に増強

 ただ、バイデン政権になっても劇的な緊張緩和は望みにくいという認識は中国国内にも広がる。共産党機関紙、人民日報系の環球時報は、米大統領選から間もない昨年11月8日にウェブサイトに掲載した社説で、「バイデン氏は中米関係の新たな全体状況を引き継ぎ、中国に強硬に臨むという基本的な態度を維持するだろう」と指摘。その上で「新疆ウイグル自治区や香港など米国が定義するいわゆる『人権』問題では、民主党政権が前より一層ひどい態度をとることも予想される」と、分野によってはトランプ政権より対中圧力が増すとみる。

 復旦大国際問題研究院の呉心伯(ご・しんはく)院長は昨年12月14日付の環球時報に掲載した論評で、バイデン新政権が取り得る対中アプローチとして3つの選択肢があると指摘する。(1)対中政策の新たな青写真やアジェンダ(政策課題)を提案する「再出発」(2)トランプ政権が構築した対中政策の枠組みの中で若干の調整を行う「おおむね変化なし」(3)米中間で論争の的となっている問題を棚上げして新型コロナウイルス対策や地球温暖化対策、イランと北朝鮮の核問題などで協力を進める「実務協力追求」-だといい、呉氏は「今のところ(2)と(3)を選ぶ可能性がやや高い」と分析した。

 トランプ政権の4年間が中国に及ぼした影響を振り返ると、相次ぐ制裁は華為技術(ファーウェイ)など中国企業に確実に打撃を与えた。それは、基幹部品を米国など海外に頼るという中国経済が抱える弱点を習指導部に突きつけ、半導体国産化などサプライチェーン(供給網)の強化へとかじを切らせた。環球時報の社説は「中国が米国の戦略的な挑発に対処する最も根本的な手段は、絶え間なく自らを強大にすることだ」と結論付ける。

 供給網の自前化など態勢固めには長期間が必要だが、バイデン新政権は中国に力を蓄える時間を許すのか。米中の力関係を左右する4年間が間も無く始まる。(北京 三塚聖平)

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