PR

ニュース 国際

EUと中国の投資協定、バイデン米次期政権が歯止めか

中国の国章(奥)と米国の星条旗(AP)
中国の国章(奥)と米国の星条旗(AP)

 【パリ=三井美奈】欧州連合(EU)と中国が続ける投資協定交渉で、年末に迫る合意期限を前に、米中間の綱引きが激しくなっている。中国はEU側に強く合意を促す一方、米国で発足する予定のバイデン次期政権はEUに合意を牽制(けんせい)した。EU内でも、中国の人権問題を理由に早期合意に難色を示す声が出てきている。

 バイデン次期政権で大統領補佐官(国家安全保障担当)に就任するジェイク・サリバン氏は22日、「欧州のパートナーと、中国の経済慣行をめぐる共通の懸念について早期に協議したい」とツイッターで発信した。バイデン陣営は同盟国と連携し、中国に貿易ルールの順守を迫る方針を示しており、サリバン氏はEUにクギを刺したとみられている。

 協定をめぐっては、中国外務省報道官が先週、「最終段階にある」と発言。中国のEU代表部大使は英紙とのインタビューで、習近平国家主席が協定締結に強い意欲を示していると強調した。中国側はバイデン次期政権発足前の合意を目指しているもようで、金融サービスへのEU企業参入で大幅に譲歩したとの報道がある。

 投資協定交渉は2014年に開始。EUには中国市場へのアクセスを広げ、不公正な競争を是正させる狙いがある。EUがトランプ米政権の対中強硬策と距離を置き、中国と独自外交を進める試金石となっていた。

 だが、米国の政権交代が確実になり、EU内の意見も変わってきた。ポーランドのラウ外相はサリバン氏の発言を受け、「われわれは同盟国を交え、さらなる協議が必要」とツイッターで発信。フランスのリーステール貿易担当相は仏紙ルモンドとの会見で、新疆ウイグル自治区の人権問題に触れ、中国による国際労働機関(ILO)基本条約の批准が「協定締結の条件」だと主張した。強制労働を禁じた同条約の重要性を指摘し、「ウイグル族に対する強制労働と戦う武器になる」とも述べた。

 香港や新疆ウイグル自治区の人権問題が浮上する中、EUの欧州議会では協定締結を「懸念される事態」(ドイツ出身のランゲ欧州議員)と危惧する声も出ている。

 EUの欧州委員会高官は投資協定交渉について、本紙の取材に「いくつかの分野で最近、大きな前進があった」と明かし、「年内合意」を目指す方針に変わりはないと強調した。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ