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トランプ氏、国防権限法案に拒否権を行使 

トランプ米大統領(ツイッターから)
トランプ米大統領(ツイッターから)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は23日、2021会計年度(20年10月~21年9月)の国防予算の大枠を定めた国防権限法案に対して拒否権を行使したと発表した。法案にトランプ氏が進めるアフガニスタンなど外国からの米軍撤収を制限する条項が盛り込まれたことなどを理由に挙げた。また、フェイスブックなどのソーシャルメディア企業によるコンテンツ編集を免責して訴訟リスクから守る通信品位法230条を撤廃する条項を入れるべきだとするトランプ氏の要求が反映されなかったことも不服とした。

 上下両院は月内の再可決を目指す考え。拒否権が覆されれば、トランプ政権では初の事態となる。

 トランプ氏は声明で「不幸なことに、法案には重要な国家安全保障上の措置が盛り込まれていない。国家安全保障と外交政策の遂行で米国第一を掲げる私の政権の取り組みに反するものだ」とし、法案は「中国とロシアへの『贈り物』だ」と主張した。

 トランプ氏は、民主党のバイデン前副大統領が勝利した今回の大統領選は「いんちき選挙だ」などとする自身の書き込みに対し、ツイッター社が「真偽が問われている」との注釈を付けていることなどに関し「ソーシャルメディア企業が政治的に偏向した検閲を行っている」と断じ、230条の撤廃を提唱している。

 同氏は声明で「230条は外国の偽情報をオンライン上に拡散させ、米国の安全保障と選挙の完全性への重大な脅威となっている」と主張した。

 法案は11日に上院を通過した。国防予算の総額を昨年比0・3%増の約7410億ドル(約77兆円)としたほか、トランプ氏が戦略的な裏付けなしにドイツやアフガニスタンからの米軍撤収を決めたのを受けて、性急な撤収を阻止するため事前に影響評価を議会に報告するよう要求する内容などを盛り込んだ。

 法案はまた、南北戦争(1861~65年)で奴隷制を支持した南部連合の将官らの名前を冠した米国内の米軍基地の名前を改称することを定めた条項が盛り込まれた。

 トランプ氏は声明で同条項に関し「米国の退役軍人や米軍の歴史への敬意を欠く条項だ」と反発した。

 拒否権行使を受け、下院は28日、上院は29日に改めて法案の採決を行う予定。先の採決は、上院は賛成84、反対13、下院は賛成335、反対78と、いずれもトランプ氏の拒否権を覆すのに必要な3分の2の票数を上回った。

 法案は再可決で成立する公算が大きいとみられる一方、共和党議員がトランプ氏に配慮して反対に回る可能性も指摘されている。

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