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【ラジオ大阪ぶっちゃけ正論】民主主義が揺らいでいる 大統領選後の米国 岩田温氏×小島新一・大阪正論室長

岩田温氏
岩田温氏

小島 米大統領選をどうごらんになっていますか。

岩田 アメリカの民主主義が脆弱(ぜいじゃく)になってきていると懸念しています。

 トランプ大統領陣営は投開票に「不正があった」としてあくまで敗北を認めない構えですが、その主張が仮に事実だとしたら、とんでもない話です。民主主義の基盤である正当な選挙ができなかったということになる。一方で、選挙結果が正しく、バイデン氏の勝利が正当だったとしても、トランプ大統領の支持者は不正選挙だったという考えを捨てないでしょう。

 どちらの側に立ってみても、デモクラシーが壊れているか、信用されていない、ということになる。アメリカが長年、世界に誇ってきた民主主義が揺らいでいると思えてならないのです。この点は、世界史的な枠組みの中で押さえておくべきだと思います。

 1990年代前半にフランシス・フクヤマという米国の経済学者が『歴史の終わり』という本を出版しました。単純化していえば、自由と民主主義社会が人類史上、最高の政治制度であり、時間はかかっても世界中に広がっていくのだという文明観を唱えています。ちょうど東西冷戦で自由主義陣営が共産主義陣営に勝ったという高揚感のある時期でした。

 ところが、それから30年後の現在の世界で、自由や民主主義に興味がないと明言している2つの勢力があります。イスラム教の原理主義的な信奉者たち。もう一つは、中国です。

小島 ええ。

共産主義との対決 今も

岩田 そして今年、新型コロナウイルスが世界中を大混乱させましたが、それにいち早く打ち勝ったと宣伝しているのが中国です。自由主義でも民主主義でもなく、特色ある中国の社会主義だから制圧できたのだと誇っています。明らかに米国に対する当てつけです。大統領選とコロナで混乱する米国をよそ目に、香港に強権をふるい、ウイグルへの弾圧や台湾への圧力を強めています。

小島 冷戦とともに終わったはずの自由主義と共産主義との対決が続いていることがはっきりしてきて、自由主義が窮地に陥っている。

岩田 はい。そんな中で自由主義の日本はどういう役割を果たしているのか。香港やウイグル問題に対しても弱腰で、この危機を認識しているとは思えない。

 そのことが今年、はっきり見えてきた。自由と民主主義を守るという決意が、ますます大切になると思います。

 【プロフィル】いわた・あつし 昭和58年、静岡県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科(現・政治経済学術院)修士課程修了。専門は政治哲学・思想。著書に『人種差別から読み解く大東亜戦争』『「リベラル」という病』など多数。

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