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台湾の親中チャンネル「閉鎖」で波紋 言論の自由か安全保障か

11日深夜、台北市内の中天テレビ前に集まった中天ニュースの支持者や国民党の党員ら(AP)
11日深夜、台北市内の中天テレビ前に集まった中天ニュースの支持者や国民党の党員ら(AP)

 【台北=矢板明夫】台湾の親中メディア「中天テレビ」のニュース専門チャンネル「中天新聞台(ニュース)」が12日午前0時、放送免許の更新が認められず放送を終了した。同チャンネルは放送監督当局から「偏向報道」を指摘され、与党、民主進歩党の一部には中国の「浸透工作」の手先とみる向きもあった。だが、「言論の自由」の観点から、免許取り消しは行き過ぎだとの批判も強い。

 「インターネットで中天ニュースを見る方法を教えてほしい」。台湾の野党、中国国民党の葉元之(よう・げんし)新北市議の事務所には最近、年配の支持者からの問い合わせが相次いでいる。

 中天ニュースはテレビ放送終了後、「当局の言論弾圧に負けない」として、動画投稿サイト、ユーチューブでテレビ時代とほぼ同じ番組を流し始めた。放送関連法規を守る必要がなくなったため、民進党の蔡英文政権への批判色を一層強め、サイト登録者は23日までに228万人に達した。だが、広告収入は数%に減少。同テレビ局の関係者は「今は意地を張って頑張っているが、いつまで持つかわからない」と話す。

 台湾のテレビ局は政党への支持傾向が鮮明に分かれ、中天ニュースは国民党支持の代表的存在だった。2018年の高雄市長選や今年1月の総統選で、対中融和路線の国民党候補、韓国瑜(かん・こくゆ)氏の動向を集中して放送。メディアを所管する独立機関「国家通信放送委員会(NCC)」から、韓氏関連報道が80%を超えたとして、罰金処分を受けていた。

 中天テレビの親会社、旺旺(ワンワン)集団は米菓などの食品事業で中国で成功し、同集団の創業者、蔡衍明(さい・えんめい)氏は「台湾人は中国人」などの親中発言で知られる。集団傘下には同じく中国寄りの台湾紙、中国時報がある。中天テレビは同集団が08年に経営権を取得して以降、親中的な番組が増え、民進党関係者は「中国が中天テレビを通じて台湾の世論に統一攻勢を仕掛けている」「中天ニュースは言論の自由を超越し台湾の安全保障を脅かしている」などと警戒していた。

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