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ワクチン接種1週間、米国で浮かび上がる課題

 【ワシントン=住井亨介】米製薬大手ファイザーなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンの接種が米国内で始まってから21日で1週間となり、超低温での輸送などいくつかの課題が浮かび上がった。米バイオ企業モデルナ製ワクチンの接種も同日にも始まる予定だが、ワクチンを広く行き渡らせる体制をどのように構築するかについて不安の声も出ている。

 「製造に何ら問題はなく、出荷に遅延もない」

 ファイザーは17日の声明でこう強調するとともに、米国内向けの最初の約290万回分(約145万人分)の出荷が完了したことを明らかにした。

 ただ、ファイザー製ワクチンはマイナス70度の超低温での保管が必要なことから管理が難しいとされており、一部ではトラブルによってワクチンが無駄になるケースがあった。

 ロイター通信によると、カリフォルニア州では保管温度がマイナス80度以下に下がってしまい、使えなくなった。

 また、米CNNテレビによると、西部ニューメキシコ州でも75回分のワクチンが温度管理に失敗して廃棄され、新たなワクチンと取り換えられたという。

 一部の州からは、当初予定していた数よりも入荷量が少ないとして不満の声も出ており、米政府でワクチン開発を推進してきた「ワープスピード作戦」の最高責任者、ギュスターブ・ペルナ陸軍大将が「私が(見込みを)間違った」と、陳謝に追い込まれた。

 米政府で公衆衛生政策を指揮するアダムス医務総監は20日、米CBSテレビの番組に出演し、「(ワクチン出荷)を増やし続けていく。米国民はワクチンに希望を持ってほしい」と供給拡大を約束した。

 米ブルームバーグ通信によると、全米でこれまでに55万人以上が接種を受けたという。米ワシントン大の保健指標評価研究所は、来年4月1日までに56万人超の死者が出るとみているが、ワクチンの配布が早まれば約54万人に抑えられると予測している。

 接種が始まるモデルナ製のワクチンはマイナス20度で6カ月保存できるなど、ファイザー製に比べて扱いやすいとされ、輸送や保管が容易になると期待がかかる。ただ、ファイザー製と同様、当面は医療関係者や高齢者施設の入所者を優先して接種する対象にするため、いずれのワクチンも一般国民に行き渡るのは春先になるとみられている。

 一方、FDAは18日、全米で接種者がアレルギー反応を起こしたケースが5件ほどあったと発表した。米疾病対策センター(CDC)は国民に注意を促しており、接種を避ける動きが広がりかねない。

 米次期大統領就任を確実にしたバイデン前副大統領は21日に公開の場で接種する予定だが、安全性のアピールが国民の不安解消につながるかは不透明だ。

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