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英、Xマス制限緩和に撤回圧力 「変異種」出現で危機感

2日、ロンドンで記者会見するジョンソン英首相(ゲッティ=共同)
2日、ロンドンで記者会見するジョンソン英首相(ゲッティ=共同)

 【ロンドン=板東和正】英国でクリスマス期間中に新型コロナウイルスの感染対策を緩和する措置の撤回を求める声が相次いでいる。英政府が国民の“コロナ疲れ”に配慮するために決めた措置だが、ウイルスの変異種による感染者が急する中、クリスマス期間中に接触する機会が増えることで感染流行の「第3波」が発生することが懸念されているためだ。

 英政府は11月24日、12月23~27日のクリスマス期間中に、英全土で最大3世帯で集まることを許可する緩和措置を発表した。

 政府は現在、人口の大半を占めるイングランドで各地域の感染状況から警戒水準を「中程度」「高い」「とても高い」に分類。警戒水準に合わせて局地的な規制を敷き、「高い」「とても高い」の地域では屋内で同居人以外の面会を禁じている。緩和措置により、感染状況が悪化した地域の住人もクリスマス期間中は家族や友人と集まれる。クリスマスだけでも友人らに会いたいと希望する国民は多く、緩和措置は好意的に受け止められていた。

 しかし、英政府が14日、ロンドンを含めたイングランド南部を中心に新型コロナの変異種の感染者を1千人以上確認したと発表すると、緩和措置の取り消しを求める意見が殺到した。

 ロンドンのカーン市長は15日、「(クリスマスに集まれば)高齢者らに感染が広がる恐れがある」と措置の見直しを政府に要求。大衆紙デーリー・エクスプレスが同日、約8千人の市民を対象に実施した世論調査では6割が緩和措置の再検討は必要と回答した。

 緩和措置に否定的な見方が強まったのは、変異種が従来のウイルスに比べ、感染速度が早い恐れがあるとみられているためだ。

 変異種が出現したロンドンでは、12月に入り、15日間で累計感染者数が5万人近く増加した。ハンコック保健相は14日、変異種が「より重い症状をもたらす証拠はない」としながらも、感染者急増の要因である可能性はあるとし、ロンドンの警戒水準を16日から「とても高い」に引き上げると表明した。さらに、英ブリストル大のデビッドソン准教授は英メディアに、変異を繰り返した新型コロナのウイルスは「ワクチンの有効性を低下させる恐れもある」と警戒を促した。

 英医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」は15日付の共同社説で、変異種は「(感染者数を増やす)潜在的な危険性」があるとした上で、政府は緩和措置ではなく規制を強化すべきと主張。新型コロナ患者が増加すれば、感染流行の「第3波」は避けられないと警告した。

 こうした意見を無視できなくなったジョンソン首相は16日、クリスマスはなるべく少人数で集まるよう国民に呼びかけた。だが、緩和措置は撤回せず、感染拡大の不安は残ったままだ。

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