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【主張】文政権の検察攻撃 法治国家の基盤崩すのか

 政権による「法治」への攻撃である。

 韓国の文在寅政権と対立してきた尹錫悦(ユン・ソンヨル)検事総長に停職2カ月の懲戒処分が決まった。韓国の検事総長への処分決定は初めてで政治問題化している。処分は秋美愛(チュ・ミエ)法相が請求していた。

 尹氏は「検察の政治的な独立性や法治主義が深刻に損なわれた」と反発し、法的手段を取る考えを示した。

 秋氏は処分請求の理由に「判事の個人情報の不法な収集」などを挙げたが、根拠は薄い。尹氏らが進めてきた文政権が絡む疑惑捜査をやめさせることが目的とみられている。

 文政権は検察に代わり、政府高官や国会議員、検事らの不正を捜査する機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」を年明けにも発足させる方針だ。政権絡みの捜査は公捜処に移される可能性がある。検察は捜査過程で高官の関与があったと認識した場合、公捜処に即時通報する仕組みだ。

 時の権力の意向に沿う訴追を行うなど韓国検察の政治性が批判されてきたのは事実だが、中立性をめぐって公捜処にはさらに大きな問題がある。トップの公捜処長の選任は当初、野党側の同意も必要とされる案があったが、成立した改正公捜処設置法では与党の同意だけで選べるようになった。

 今の検察以上に時の政権の影響下に置かれるもので、法治国家の基盤が崩れかねない。

 自身が指名した検事総長を排除してまでも、検察をめぐる制度改正に文大統領がこだわるのは、退任後も含め、身の安泰をはかるためと指摘されている。

 正義の根幹である刑事司法のあり方を大きく変える制度改正であるにもかかわらず、文政権の与党「共に民主党」は、十分な審議を経ずに改正法を成立させた。

 検察制度を歪(ゆが)めようとする姿勢は、慰安婦問題をめぐる日韓合意を反故(ほご)にしたり、国交の基盤である日韓請求権協定を踏みにじる「徴用工訴訟」判決を容認したりすることに通底する。

 検察の権限は権力者ではなく、国民から負託されたものだ。尹氏の懲戒請求の正当性などには多くの疑念が抱かれ、文氏の支持率は2週連続で30%台と過去最低を記録した。皮肉にも尹氏を次期大統領候補として支持する声が高まっている。文氏に必要なのは法治の重みへの理解である。

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