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【パリの窓】大統領のメディア戦争

フランスのマクロン大統領=11月10日、パリ(AP)
フランスのマクロン大統領=11月10日、パリ(AP)

 フランスのマクロン大統領は、批判されると相手を論破せずにはいられない性格らしい。イスラム過激派対策で、米英メディア相手に舌戦を仕掛けた。

 大統領は政教分離という国是を掲げ、新法案でイスラム団体の監視を強める構えだ。表現の自由、男女平等というフランスの価値観を徹底させるという。「テロをたたえた」として、10歳の子供まで逮捕された。

 こうした強硬策は、イスラム教徒への差別を助長し、テロをあおるのではないか。米紙ニューヨーク・タイムズが疑問を示すと、大統領は同紙記者に電話し、「われわれと価値観を共有する国の新聞が『フランスの人種差別こそ問題』だと言い、暴力を正当化している」と反論した。英紙フィナンシャル・タイムズには「私の発言を誤って引用した」と抗議文を送り、記事撤回に追い込んだ。

 大統領の言い分は「米英メディアはフランスの平等主義を理解していない」ということ。仏憲法は「国家は不可分」と定め、民族、宗教の別なく「国民は一つ」という同化政策をとる。多民族共存をうたう米英社会とは思想が違う。

 米英紙はマクロン大統領を「リベラル派の旗手」と持ち上げてきたが、急に見方が厳しくなった。それでも、大統領の支持率は強硬策のおかげか、仏国内で上向き始めた。(三井美奈)

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