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【ソウルからヨボセヨ】乱用される「職権乱用」

1日、ソウルの最高検に登庁し、記者団の取材に応じる韓国の尹錫悦検事総長(聯合=共同)
1日、ソウルの最高検に登庁し、記者団の取材に応じる韓国の尹錫悦検事総長(聯合=共同)

 韓国で半ば冗談、半ば本気に「職権乱用という容疑が最も“乱用”されている」とよく言われる。

 4年前、当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領の親友による国政介入事件で真っ先に持ち出されたのが職権乱用容疑だった。この事件捜査の功績が文在寅(ムン・ジェイン)大統領の目に留まり、ソウル中央地検のトップに取り立てられたのが今の尹錫悦(ユン・ソンヨル)検事総長だ。

 尹氏率いる地検は、文氏による旧保守政権たたきの流れに乗って、旧政権関係者を職権乱用容疑で次々逮捕。日韓関係を極度に悪化させたいわゆる徴用工訴訟の確定判決を故意に先延ばしさせたとして、最高裁の前トップまで同容疑で拘束した。一方で、無理筋の捜査で無罪判決が出たケースも少なくない。

 現政権の疑惑まで捜査し始めた尹氏は、法相により職権乱用容疑などで懲戒処分の標的とされた。職権乱用の刃がブーメランのように跳ね返ってきたのだ。

 検事らは「法相の権限乱用だ」と反発。政府や与野党も含め、互いに非難相手を「職権乱用」となじる冗談にもならない混迷に陥っている。文氏は公約の「検察改革」を推し進める考えだが、大統領も議員も検事もいつ自身が職権乱用の餌食になるか分からない不安な現状にかんがみ、職権乱用という容疑の乱用を抑える改革から着手してみてはどうか。(桜井紀雄)

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