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スーダンめぐり米露綱引き 近隣ジブチには中国軍基地 紅海周辺で強まる角逐

10月23日、スーダンとイスラエルの首脳と電話するトランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウス(AP=共同)
10月23日、スーダンとイスラエルの首脳と電話するトランプ米大統領=ワシントンのホワイトハウス(AP=共同)

 【カイロ=佐藤貴生】アフリカ北東部のスーダンに米露など大国が関心を寄せている。約30年間、政権を掌握したイスラム色の濃いバシル大統領が昨年失脚したのを受け、トランプ米政権は今年10月、イスラエルとの国交正常化合意と引き換えにスーダンの「テロ支援国家」指定を解除。11月にはロシアが紅海に面するスーダンのポートスーダンに海軍拠点を建設する方針を表明した。貧困に悩むスーダンには有力国との関係を強化して経済低迷を打開する狙いがある。

 スーダンでは昨年、物価高を受けて反政府デモが相次ぎ、バシル政権は軍のクーデターで崩壊した。同年8月には軍民合同の暫定政権が発足し、民政移管プロセスが始動した。

 米国はスーダンが国際テロ組織アルカーイダのビンラーディン容疑者らに居場所を提供したなどとして、1993年からテロ支援国家に指定していた。貿易の障害となっていた指定が解除されたことで、米国や技術立国イスラエルなどとの関係強化への道筋が整った。スーダンはロシアとの合意内容を確認していないもようだが、ロシアが海軍拠点を建設すれば、さらなる経済的利益を見込める。

 ただ、エジプトやサウジアラビアなどはスーダンの軍部に肩入れしてきたとの見方があり、スーダン国内では反イスラエルの世論も根強い。民政移管がスムーズに実現するかには不透明な面もある。11月には隣国エチオピアの軍事紛争で4万人以上の難民がスーダンに流入しており、経済再生が遅れることも確実だ。

 ロシアが拠点設置を目指すスーダンなど紅海周辺は近年、国際的な軍事情勢が変化している。

 北はスエズ運河、南はアデン湾にはさまれた紅海は欧州とアジアを結ぶ国際海運の大動脈で、アデン湾に面するジブチには米国が基地を設置し、ドローン(無人機)によるイスラム過激派への反テロ作戦を展開してきたとされる。中国はこの米軍基地の至近距離に軍事基地を建設し、2017年に運用を開始した。アフリカは中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の重要地域だ。

 米中が火花を散らす中、ロシアはスーダンに足場を築いて紅海一帯に存在感を示す狙いがうかがえる。この地域で米中露が角逐する構図が続きそうだ。ロシアも昨年、アフリカ諸国との初の首脳会合を開催するなど、アフリカ重視の姿勢を打ち出している。

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