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フランス警察暴行ビデオ マクロン政権の治安法案に逆風

フランスのマクロン大統領(ロイター=共同)
フランスのマクロン大統領(ロイター=共同)

 【パリ=三井美奈】フランスで警察官が黒人男性を殴打する様子がインターネットの動画で広がり、仏メディアによると、4人の警察官が暴行容疑で当局に強制的に聴取された。マクロン政権は、治安強化を目指す新法案の早期成立を目指しているが、事件を機に反発が広がっている。

 黒人男性は41歳の音楽プロデューサーで21日、パリにあるスタジオに入った際、複数の警察官に踏み込まれた。玄関で警棒で殴られたり、蹴られたりの暴行を受けた。

 男性は一時拘束された後に釈放され、警察官が人種差別発言を繰り返したと主張した。仏メディアによると、警察官はマスクを着けずに歩いている男性を路上で見つけ、大麻の臭いがしたので職務質問しようとしたが、拒否されたので追跡した、と説明したという。

 動画は監視カメラの映像で、130万回以上のアクセスを集めた。サッカー・フランス代表で黒人のエムバペ選手が負傷した男性の写真とともに「人種差別はやめろ」と発信するなど、波紋が拡大。マクロン大統領は27日、ツイッターで「受け入れられない」と事件を非難し、防戦に努めた。

 マクロン政権の新法案は今秋、国会に提出された。「警察官に対する暴力を防ぐ」という理由で、勤務中の警察官の顔や個人を特定できる情報を撮影、拡散することを禁じる条項を盛り込んだ。条項は、人権団体やジャーナリストから「報道の自由に反する」との批判を浴びてきた。今回の事件で暴行を受けた黒人男性は「ビデオ映像がなければ、釈放されなかっただろう」と発言。証拠としての映像の価値が示されたことで、条項撤回を求める抗議活動は広がりそうだ。

 フランスではパリ郊外の移民地区などで、警察の暴行疑惑が過去にも浮上してきた。今夏には、2016年に警察の拘束下で黒人男性が死亡した事件をめぐり、パリで約2万人が参加する抗議デモが起きた。

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