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【アジア見聞録】「タイ式民主主義」曲がり角 王室批判のデモ 政権は不敬罪辞さず

25日、バンコクでタイ王室の改革を求める人たち(ロイター)
25日、バンコクでタイ王室の改革を求める人たち(ロイター)

 タイで反政府抗議活動が拡大を続け、緊迫の度を増している。参加者はタブーとされていた王室改革を求める声を強め、プラユット政権は国王への侮辱を取り締まる不敬罪の適用も視野にデモ隊排除を狙う。国内で権威を持ち、国民の精神的支柱とされてきたタイ王室に批判が噴き出した背景には、国王を頂点とする独特な「タイ式民主主義」への不満がある。(シンガポール 森浩)

■デモ隊に発砲?

 「国民に向けて警察が発砲した。香港でも(中国政府は)こんなことをしただろうか」

 11月17日に首都バンコクの国会前で行われた大規模集会に参加した男性(21)は語気を強めた。

 この日は、デモ活動の参加者と警察・王室支持者が衝突し、計55人が負傷。7月ごろから本格化した一連の抗議活動で最悪の被害が出た。うち6人は銃撃を受けたが、発砲した人物は分かっておらず、デモ参加者側は「警察当局によるもの」と批判を強めている。

 デモ隊は、軍政の流れをくむプラユット政権の退陣や、軍政下で2017年に制定された憲法の改正、王室改革を求めている。

 一方、デモ隊への圧力を強化するプラユット首相は「(法に抵触した場合)あらゆる法律を適用する」と宣言し、ここ2年ほど適用例がない不敬罪(最大禁錮15年の罰則)で抗議活動参加者を摘発する構えを見せる。捜査当局は既に不敬罪の抵触の可能性があるとして、学生指導者のパリット氏ら12人に出頭を命じ、デモ参加者は反発を強めている。

 外交筋によると、不敬罪は「国王の意向」でここしばらく適用が見送られていたという。ワチラロンコン国王の“寛大な心”を示す狙いがあったとみられるが、方針を転換して強硬姿勢で臨むことを鮮明にした形だ。

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