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バイデン次期政権 閣僚は堅実陣容 実務派元高官で「多様性」も

アントニー・ブリンケン氏=2016年9月、米ワシントン(AP=共同)
アントニー・ブリンケン氏=2016年9月、米ワシントン(AP=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】米次期大統領に就任する見通しとなった民主党のバイデン前副大統領が23日に発表した次期政権の外交・安全保障関連の閣僚および高官の陣容は、国務長官に指名されるアントニー・ブリンケン元国務副長官を筆頭に、政治的に穏健な実務派の元政府高官らで固めた堅実な人選となった。

 ブリンケン氏はバイデン氏の20年来の盟友で、オバマ前政権で国務副長官に加え、大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)、当時副大統領だったバイデン氏の補佐官(同)を務めた。次期政権で大統領補佐官(同)に起用されるジェイク・サリバン氏もバイデン氏の補佐官(同)を務め、ブリンケン氏とも非常に近い。

 国務長官の人事では、オバマ前大統領が自身の下で国連大使や大統領補佐官(同)を務めたスーザン・ライス氏を強く推し、一時は有力候補と目された。

 しかし、民主党が上院選(定数100)で過半数を奪還する見通しが微妙となる中、前政権での中東政策の不手際を共和党や保守勢力から批判されているライス氏を起用すれば、仮に共和党が上院の過半数を維持した場合に指名承認を受けるのが困難になるとの判断もあったとみられる。

 ライス氏は前政権で対中融和派と見なされ、日本政府との関係も良くなかったことから、日本にとっては安心材料となった。

◇ ◇

 就任すれば女性初の国家情報長官となるアブリル・ヘインズ元大統領首席副補佐官や、中南米系移民として初の国土安全保障長官に指名されたキューバ出身のアレハンドロ・マヨルカス元国土安全保障副長官のように、前政権の政府高官経験者から「米国の多様性を象徴した人事」(バイデン氏)を前面に出したのも特徴だ。

 国連大使に指名される黒人女性のリンダ・トーマスグリーンフィールド元国務次官補(アフリカ担当)も、「多様性人事」の一環となる。

 元政府高官を大量に起用するのは、トランプ政権との間で政権移行の停滞が懸念される中、既に連邦捜査局(FBI)の身元審査を受けた経験のある元高官であれば今回も審査が短期間で済むとの配慮のほか、上院での承認のされやすさなども考慮したとみられる。

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 一方、民主党の大物であるジョン・ケリー元国務長官を国家安全保障会議(NSC)の新設ポストである気候変動問題担当の大統領特使に起用したのは、気候変動が次期政権の外交・安保分野における最優先課題であるとの立場を諸外国に向けて打ち出す狙いがある。

 次期政権の気候変動対策をめぐっては、民主党内の急進左派が経済成長を阻害しかねない過激な環境政策「グリーン・ニューディール」を提唱し、各国や産業界から懸念の声が広がっていた。穏健派と目されるケリー氏の起用は、環境政策や外交・安保分野で急進左派を排除していくというバイデン氏の意思の表れといえそうだ。

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