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中国は「自由で開かれたインド太平洋」阻止に躍起

オンライン形式で開かれたASEANとの首脳会議で発言する中国の李克強首相=12日(中国政府のホームページから、共同)
オンライン形式で開かれたASEANとの首脳会議で発言する中国の李克強首相=12日(中国政府のホームページから、共同)

 【北京=三塚聖平】中国は今回の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議を「対中包囲網」の構築に歯止めをかける場と位置付けているようだ。中国は、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」をアジア版の北大西洋条約機構(NATO)だと反発。米国が大統領選後の混乱もありアジア戦略が固まらない状況を横目に、ASEAN各国の切り崩しを進める構えだ。

 「結束と協力を強化して知恵と力を結集すれば、感染症の影響を克服して地域の平和と安定を守ることができる」。14日に開いた日中韓3カ国とASEANの首脳会議で、中国の李克強首相はASEANとの関係強化の姿勢を前面に打ち出した。12日の中国とASEANの首脳会議では、新型コロナウイルスの流行を受けた公衆衛生面での協力の深化や、地域経済の回復促進などを提案している。

 中国としては、日米豪印がFOIPの下で連携を強める中、ASEAN各国をつなぎ留めることが喫緊の課題となっている。中国の王毅国務委員兼外相は10月中旬、FOIPについて「インド太平洋版の新たなNATOの構築を企てるものだ」と露骨に牽制した。

 ASEAN加盟国にはカンボジアなど親中姿勢を鮮明にする国もあり、南シナ海への海洋進出を強める中国に対して反対姿勢で足並みをそろえることは難しい。中国はこうした隙をつき、ASEAN諸国がFOIPに同調して対中包囲網に加担する事態を避けたい考えだ。王氏は、FOIPは「ASEANを中心とした地域協力の枠組みと衝突し、東アジアの平和と発展の将来を損なう」とも述べ、ASEAN側に同調しないよう呼びかけている。

 中国は、新型コロナへの対応をASEAN各国との関係強化のテコに用いている。コロナ禍で世界の貿易量が減少する中、中国とASEANとの貿易総額は1~10月に前年同期比5・1%増と拡大。タイやミャンマーなどに新型コロナワクチンの優先提供を申し出るなど「ワクチン外交」も展開し、中国への支持の取り付けを図っている。

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