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大和堆中国漁船に対応後手の海保・水産庁 専門家「赤サンゴ方式活用を」

日本海沖の大和堆周辺で、違法操業する中国漁船=9月(水産庁提供)
日本海沖の大和堆周辺で、違法操業する中国漁船=9月(水産庁提供)

 中国漁船が大挙して密漁を続ける大和堆(やまとたい)だが、日本政府の対応は後手に回っている。専門家は、平成26年ごろに横行した中国漁船による赤サンゴ密漁問題での海上保安庁による厳格な取り締まりや、中国側の取り締まりなどの対策を参考にすべきだと指摘する。

 水産庁関係者によると、大和堆周辺で水産庁や海上保安庁は、退去警告に応じない漁船に対して放水をしている。漁船が干しているイカに水が当たればイカが腐るためだ。だが、現在は「船が多すぎて退去させきれていない状態」(水産庁関係者)だという。

 9月末~10月末は北朝鮮の公船が大和堆周辺に出没したことを受け、政府は日本漁船側に自粛を要請したが、その間も中国漁船は違法操業を続けていたこともあり、地元漁協から大反発を招いた。

 石川県漁業協同組合小木支所によると、自粛が解除されて以降も、大和堆周辺には大型船2隻の間に網をつなぎ、魚種を選ばずに海中の漁業資源を獲る「二艘曳」の中国籍とみられる漁船が50隻以上確認され、日本漁船が安全に操業できる状況ではないという。

 専門家が「モデルにすべきだ」と主張するのが、26~27年に小笠原諸島(東京都)で横行した中国漁船による赤サンゴの密漁対策だ。

 海保は法改正で密漁の罰金を引き上げるとともに船長の逮捕など取り締まりを強化。環境破壊を懸念する国際圧力も背景に、中国へ取り締まりの働きかけを強めたことも奏功した。

 海上保安行政に詳しい明治学院大の鶴田順准教授(国際法)によると、小笠原で赤サンゴ密漁を行う中国漁船の視認隻数などの情報を日中両国で共有し、中国側が取り締まりを強化したことなどから、違法操業は激減したという。

 外務省によると、政府は今年10月、在北京大使館を通じて中国漁船の違法操業への懸念を伝えている。

 鶴田准教授は「小笠原の赤サンゴ密漁問題については日中外相会談などの国際会議でとりあげられ、外務省ホームページで日本語および英語による視認隻数などの問題状況の発信が積極的に行われた。大和堆についても問題状況を国際的に発信することが重要だ」としている。

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