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英首相官邸の「影の権力者」辞任決定 強硬な離脱派

13日、英ロンドンの首相官邸を出るカミングス首席顧問(ロイター)
13日、英ロンドンの首相官邸を出るカミングス首席顧問(ロイター)

 【ロンドン=板東和正】英国のジョンソン首相の側近で、首相官邸の「陰の権力者」と呼ばれるカミングス上級顧問が13日、辞任を決めた。英メディアが報じた。政権内の権力闘争が原因で辞任に追い込まれたとみられている。強硬な欧州連合(EU)離脱派として知られるカミングス氏が政権中枢から外れることで、難航する英国とEUとの自由貿易協定(FTA)交渉に影響を与える可能性もある。

 カミングス氏は昨年7月、ジョンソン氏の首相就任の際に政権運営全般に助言する上級顧問に任命された。もともと政治家ではなく、政策を立案する政治ストラテジスト(戦略家)で、EU離脱の是非を問う2016年の国民投票では、ジョンソン氏とともに離脱を訴えるキャンペーンを主導。ジョンソン氏が昨年、強硬離脱に反発する野党の動きを封じ込めるために行った議会の休会措置も裏で指示したとされる。ジョンソン氏への影響力の大きさから、ロシア帝政末期に権勢を振るった怪僧に例えて「英国のラスプーチン」(英紙ガーディアン)と評されていた。

 しかし、与党・保守党内では、複数の議員がカミングス氏の強引な手法に懸念を強めていた。そんな中、カミングス氏が外出制限下の3月下旬、新型コロナの症状があった妻を伴い、ロンドンから約400キロ離れた英中部ダラムの両親宅を訪問した行為に国民の非難が殺到。党内で辞任を求める声が高まったとみられている。英メディアによると、カミングス氏は12月中に政権を完全に去る方針。

 一方、英EUが3月上旬に開始したFTA交渉は交渉期限が11月中に迫る中、公正な競争条件の確保や英周辺海域の漁業権をめぐり、協議が難航している。EUに強硬な姿勢を示すカミングス氏の辞任が決まったことで、英国側が協議で妥協する可能性もある。

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