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調達額史上最大見込みのアリババ傘下企業が異例の上場延期 ジャック・マー氏らが中国当局の指導受け

アリババグループ傘下のアント・グループの本社内。左奥はアントのロゴ=10月29日、中国浙江省杭州(ロイター=共同)
アリババグループ傘下のアント・グループの本社内。左奥はアントのロゴ=10月29日、中国浙江省杭州(ロイター=共同)

 【上海=三塚聖平】中国電子商取引(EC)最大手のアリババ集団傘下の金融会社が、株式の上場目前に中国当局の指導を受けたことをきっかけに延期へと追い込まれる異例の事態に陥った。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏が、金融当局に批判的な発言を行ったことが背景にあるとみられている。上場で史上最大の約3兆6000億円を調達する見通しだっただけに、延期が各方面に与える影響は小さくない。

 アリババ傘下で電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」を運営するアント・グループは3日夜、上海、香港の両証券取引所で5日に計画していた新規株式公開(IPO)を一時延期すると表明した。2日に中国金融当局がアント幹部と面談して監督・管理上の指導を行ったと公表。ジャック・マー氏らが指導対象となったことが判明し、上海証取は「重大事項」に当たるなどとして上場延期を決めたと3日に発表していた。

 香港メディアによると、ジャック・マー氏は10月下旬に上海で行われたイベントで「優れたイノベーション(技術革新)は監督を恐れないが、古い方式による監督を恐れる」と金融監督の現状を批判するような発言を行っている。そうしたことが当局を刺激したという見方が出ている。

 アントは、香港・上海に同時上場し、計約345億ドル(約3兆6000億円)を調達する見通しだった。サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコが昨年に上場した際の294億ドルを抜き世界で史上最大になると注目されていた。アントは、個人や中小・零細企業などに向けた決済や融資といった金融サービスを提供することで急成長している。

 4日の香港株式市場では、アリババ株が一時前日比9%超下落するなど影響が広がっている。

 アントは、上海証取では中国版ナスダックと呼ばれる新興企業向け株式市場「科(か)創(そう)板(ばん)」に上場予定だったが、同市場は習近平国家主席の肝煎りで2019年に開設されたばかりの国策市場だ。米国では金融市場でも中国企業を念頭に置いた規制強化が進んでおり、中国の有力新興企業による科創板や香港市場への上場が活発になっているが、アントの件がこうした動きに冷や水を掛ける恐れもある。

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