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内憂外患の中国経済 35年に中等先進国目指すも少子高齢化が課題

習近平国家主席(新華社=共同)
習近平国家主席(新華社=共同)

 【北京=三塚聖平】中国共産党中央は30日、北京で記者会見し、前日閉幕した重要会議、第19期中央委員会第5回総会(5中総会)の決定事項を説明した。2035年までに1人当たり国内総生産(GDP)を「中等先進国」並みに引き上げる目標を掲げ、14億の人口が生む消費パワーを武器に輸出など外需依存を減らす考え。米国が対中圧力を強める中、中長期的に自力による成長モデルの確立を目指すが、少子高齢化の加速もあり実現は容易でない。

 「低所得層の収入を引き上げ、中所得層を拡大することに力を入れる」

 国家発展改革委員会の寧吉哲副主任は30日の会見でこう強調した。5中総会は21~25年の中期経済目標「第14次5カ年計画」の基本方針を承認。総会のコミュニケは「国内市場をさらに強大化する」と明記し、内需拡大を図る方針を示した。中間層拡大はそのための重要な鍵を握る。

 中等先進国の定義は示していないが、19年の中国の1人当たりGDPが約1万ドル(約104万円)なのに対し、国営中央テレビ(電子版)は3万ドル前後とする経済学者の見方を伝えた。先進7カ国(G7)構成国のイタリアに迫る水準だ。

 先端技術の国産化に向け「イノベーション(技術革新)能力を引き上げる」との方針も表明した。米政府が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への半導体輸出を全面的に禁じ、中核部品の入手が困難になった華為は主力製品の製造に支障をきたした。基幹部品の海外依存への対処を念頭に、コミュニケにサプライチェーン(供給網)の強化が盛り込まれた。

 会見では「外資企業の市場参入を拡大する」と市場開放を重視する姿勢も同時に見せた。経済自立には時間がかかるため、当面は対外貿易や海外からの投資で補おうという思惑がある。「中国包囲網」の形成を進める米国には「(米中経済の)完全なデカップリング(切り離し)は全く現実的でない」と牽制(けんせい)した。

 習近平国家主席は「より高い水準の自力更生の道を歩まなければならない」と強調するが、内需拡大の頼みの綱である巨大人口は、少子高齢化で減少に転じる可能性が指摘される。著名エコノミストの任沢平氏は「人口減少で中国市場の優位性は次第に失われ、総合的な国力も影響を受けるだろう」と警告。米国との対立と人口減少の危機という内憂外患を抱える中国経済の自立への道のりは険しい。

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