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ナゴルノ紛争は現代戦闘の見本市 ドローン駆使、動画でプロパガンダ流布

 その上で「アゼルバイジャンのドローンが大きな戦果を上げられたのは、アルメニア側のドローン妨害能力の不十分さや、(戦車や対空陣地の)偽装や隠蔽のまずさなどの要因によるところが大きい」と指摘。対ドローン戦術を研究している米国や中国、ロシアなどの軍事大国に対しては、アゼルバイジャンが取った戦術の有効性は低下するという。

 小泉氏によると、米中両国はレーダーで探知できないステルス性を備えた高速ドローンや、無数の超小型ドローンが集団として振る舞う「スウォーム(「虫の群れ」の意味)技術」など、さらに高度な技術開発を進めている。

 他方で、小泉氏は「今後の戦争では、大国同士が直接衝突するよりも、シリア内戦やリビア内戦で既に見られるように、大国が相互に抑止をきかせながら『手先(プロキシー)』を使って代理戦争を繰り広げるような戦略が一般化する可能性がある」と指摘する。

 大国の介入が限定され、小国同士が衝突する局地的な紛争が現代における戦闘の典型の一つである以上、今回のアゼルバイジャンのようなドローン戦術は、今後も大きな威力を発揮する可能性がある。

露防空システム無力

 今回の戦闘では、ロシアと軍事同盟を結ぶアルメニアが保有する露対空ミサイルシステム「S300」などの高性能な対空兵器が、多数のドローンが飛び回る戦場では十分な働きができないという事実も浮き彫りとなった。

 戦闘では、アルメニア側のS300はいくつかのミサイルの迎撃に成功した一方、複数のS300がドローンに撃破された。ロシアが誇る対空システムが撃破されたことで、露メディアは衝撃を受けたようだ。

 露有力紙「モスコフスキー・コムソモーレツ」(電子版)は17日、「ナゴルノカラバフ紛争はS300の無力さを示した」と題した記事を掲載。記事は「アルメニアの防空システムのほぼ完全な無力さは、予期しないものだった」とし、驚きを隠さなかった。

 その上で、「S300は本来、敵の戦闘機やヘリコプター、ミサイルなどを探知して破壊するためのもので、小型のドローンの撃破は想定していない。ドローンに対処する兵器は短距離地対空ミサイルなどだが、それらは開戦直後に破壊された」とする露軍事専門家、ミハイロフスキー氏の見解を紹介。同氏はアルメニア側が即座に無力化された要因として、小泉氏と同様、防空システムの脆弱(ぜいじゃく)さやアゼルバイジャン側の巧みな戦術を指摘した。

 ただ、今後起きうる紛争では、今回の戦闘でも示されたように、制空権確保のためのドローンの重要性が増す一方、従来の対空システムが想定する大型の有人兵器が活躍する局面は限られていくとみられる。

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