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ナイル川めぐり上下流で険悪 エチオピアのダム建設にエジプト農民が懸念

 これを受けてトランプ米大統領が、エジプトは「ダムを爆破するかもしれない」と述べ、エチオピア外務省が米大使を呼び出して「戦争をあおっている」と批判する一幕もあった。米政権はダムの問題で以前からエジプト寄りの姿勢を示していた。

 エチオピアがエジプトとの協議に応じない背景には、歴史に根差した反感もありそうだ。エジプトは1929年、かつて同国を保護領とした英国との協定で、水の配分に影響を与える上流の事業について拒否権を得た。59年にはスーダンとの協定で水利用の年間割当量も明示され、周辺国より優先利用できる地位を確保してきた。エチオピアでは「植民地時代の遺産を押し付けようとしている」などと、エジプトへの批判が相次いでいる。

沖大幹・東京大大学院教授
沖大幹・東京大大学院教授
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 国際河川をめぐる上流国と下流国の争いは、東南アジアのメコン川や中央アジアのシルダリヤ川、中東のチグリス、ユーフラテス川でも起きている。ヨルダン川の水資源争いはイスラエルとアラブ諸国の第3次中東戦争(1967年)の遠因になったともいわれる。

 川の水利用の問題に詳しい沖大幹(おき・たいかん)東京大大学院教授(55)は「基本的に上流の国が有利で、紛争になりやすい」と語る。国際法では水の使用量を規定する法律はなく、関係国間の意思に任されているため、「調停で納得いく妥協案を見つけるしかない」という。

 また、中東・アフリカの全般的な水事情については「紛争や難民など問題が多く、水へのアクセスが難しい。川から直接水を運ぶには時間を取られるため、子供がやれば学校に行けず、女性は家の仕事にしばられてしまう」とし、就学率や就業率に関わる大きな問題だと指摘した。(佐藤貴生)

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