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司法の左傾化防ぐ「安全弁」…米共和党が急いだバレット氏承認

 【ワシントン=平田雄介】26日に米上院本会議でトランプ大統領を擁する共和党が野党・民主党の反対を押し切り、保守派のバレット最高裁判事の就任を急いだのは、大統領選に敗北し民主党政権が誕生した場合でも、米国社会の左傾化を防ぐ「安全弁」として最高裁を機能させるためだ。

 判事9人で構成する最高裁は、これまでもロバーツ長官を含む保守派が5人でリベラル派の4人より多かった。ただ、ロバーツ長官はリベラル派寄りの判断を支持したこともあり、共和党は今回の人事で保守層に有利な判断が出やすい環境となることを期待する。

 バレット氏は連邦控訴裁判事の在任中、警官の過剰な力の行使が争われた訴訟で警官に有利な判断を下すことが多かったとされる。12~15日の上院司法委員会の公聴会では、女性の堕胎の権利を認めた1973年の「ロー対ウェード」と呼ばれる最高裁判例について、覆されることのない「最上の判例」とする見方を否定。以前の発言と合わせ、将来的に妊娠後期の中絶などを違憲と判断する可能性があるとみられている。

 最高裁をめぐってはレーガン大統領(当時)が80年代、保守派の判事を相次いで起用、それまでリベラル化していた最高裁の保守化が進んだ。バレット氏就任の結果、戦後最も保守的な最高裁になる可能性があるともいわれている。

 判事たちは三権分立の原則の下、行政府や立法府から独立して判断を下してきた。レーガン氏が指名した女性初の最高裁判事で保守派のオコナー判事は73年の判例の明示的な変更を拒否したことがある。

 バレット氏もホワイトハウスでの宣誓式で「判事として議会や大統領だけでなく、個人の信条からも独立を宣言する」と語り、公正な司法判断を誓った。トランプ氏らの思惑どおりに最高裁の保守化が進むと決まったわけではないとの見方もできる。

 11月10日には医療保険制度改革法(オバマケア)に関する新たな審理が最高際で始まる。保守派判事の影響力が一層強まった状況がどのように影響するか、今後を占う試金石となる。

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