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核兵器禁止条約 近く発効条件達成 批准国「残り3」に

 【ニューヨーク=上塚真由】核兵器の保有や使用を全面的に禁じる「核兵器禁止条約」の批准数が、条約発効に必要な50カ国・地域まで残り「3」となり、近く達成する可能性が高まっている。批准数が達すれば、90日後に条約が発効される。推進国は国際世論が高まり、核軍縮を促す圧力になると期待するが、米露など核保有国は真っ向から反発し参加の意志はなく、条約の有効性には課題が残っている。

 核兵器禁止条約は2017年7月、122の国・地域が賛成して採択された。禁止事項には核兵器の開発や実験、製造、保有のほか、核抑止力の否定を意味する「使用による威嚇」も盛り込まれた。

 条約交渉を牽引(けんいん)し、各国に批准を呼びかけてきた非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」のフィン事務局長は21日、少なくとも1カ国が23日に批准し、近く発効要件に達するとの見通しを示した。

 条約の背景には、今年で発効50年を迎えた核拡散防止条約(NPT)をめぐる非核保有国の不満がある。NPTは米英仏中露の5カ国に核兵器の保有を限定し、核軍縮交渉を義務付けるが、米露両国の足並みがそろわず、中国も軍拡を進め、軍縮の動きが停滞している現状がある。

 禁止条約をめぐり、オーストリアなど推進国は「NPTを補完し、核軍縮への重要なステップ」と位置付けるが、米国など核保有国は、現実の安全保障環境を考慮していないと反発を強める。また、米国の「核の傘」に入り、中国や北朝鮮の核の脅威がある日本は、「米国による核抑止力の正当性を損なう」などとして反対の立場を示している。

 AP通信によると、条約に反対する米国は、複数の批准国に対し「戦略的な誤りであり、批准を取り下げるべきだ」と書簡を送るなど外交圧力を強めており、条約が発効されれば、非核保有国と保有国の分裂を一段と深めることは必至だ。

 今年4~5月に行われる予定だった5年に1度のNPT運用検討会議は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となった。来年1月の開催で調整されたものの、8~9月に先延ばしになる公算が大きい。NPT運用検討会議でも、禁止条約をめぐる議論が紛糾することが予想される。

★核兵器禁止条約のポイント

・核兵器使用がもたらす壊滅的結果を深く懸念

・核兵器使用による被害者(ヒバクシャ)が受けた、容認しがたい苦しみと損害に留意

・核兵器の使用は国際人道法に違反する

・核兵器の開発や実験、製造、保有を禁止

・核兵器の移譲を禁止

・核兵器の使用や使用するとの威嚇を禁止

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