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新START交渉大詰め 米大統領選にらみ米露駆け引き

 トランプ政権とその周辺には、現在の戦略的環境の実態に合わない新STARTをこのまま葬り去るべきとの議論も存在する。

 一方で米政権による最近の動きは、現行の条約を将来、中国も含めた包括的な新条約に発展させる土台にしたい思惑がにじむ。

 仮にロシアが今回、米政権が提案した「核弾頭の凍結」に応じれば、たとえ暫定的にせよ米露が保有する全ての核弾頭に史上初めて制限の網がかかる「歴史的合意」(ビリングスリー米大統領特使)となる。

 ただ、プーチン氏がこれに応じない考えを示唆したことで、米政権内には協議の行方に悲観論が浮上しているのも事実だ。

 トランプ大統領は、米大統領選の民主党候補、バイデン前副大統領が新STARTを現状のまま5年間延長する立場を示しているのを視野に、最後まで野心的な提案で大型合意を目指し、外交成果につなげたい考えとみられる。

 【モスクワ=小野田雄一】国力で米国に大きく劣るロシアは、新STARTを延長したいのが本音だ。その一方でロシアは、大統領選を控えたトランプ米政権の焦りを見越し、できるだけ有利な形での交渉妥結を探る。新START延長に前向きとされるバイデン前副大統領が当選する可能性を視野に、硬軟両様の対応で様子見をしている感もある。

 ロシアは、音速の20倍以上で飛行する極超音速兵器「アバンガルド」や、南極回りの飛行ルートでも米国を攻撃できるとされる新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「サルマト」など新型戦略兵器の開発や配備を急いできた。航続距離が「無制限」とされる原子力推進の巡航ミサイル「ブレベスニク」や大型核魚雷「ポセイドン」の開発も進めている。

 米国のミサイル防衛(MD)網を突破ないしは回避する能力を備えると同時に、それを米国との軍備管理交渉の取引材料に使う狙いからだ。ラブロフ露外相は昨年12月、新STARTが延長される場合にはアバンガルドとサルマトを規制対象に含める用意がある、と水を向けていた。

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