PR

ニュース 国際

【世界の論点】WTO事務局長選 英紙「本命候補、中国影響に懸念」、韓国紙「文政権総力戦『勝算十分』」

 同時に、韓国政府の強力な後押しも加わった。大統領府には実務支援の専門班が編成され、文大統領は35カ国の首脳に親書を送付。ロシアのプーチン大統領やメルケル独首相には電話で支持を求めた。

 文氏は最終ラウンドで、政府が「総力を傾け支援」するよう指示した。兪氏が勝利すれば「韓国政府の外交力をアピールできると同時に、文大統領の任期中の外交功績にもなり得る」(韓国紙朝鮮日報)との思惑も浮かぶ。

 昨年2月、通商交渉本部長に兪氏を抜擢(ばってき)した経緯も、文氏の“功績”として報じられた。兪氏の夫は野党の元議員で、兪氏自身も朴槿恵(パク・クネ)前政権時代に報道官を務めた経歴がある。現政権下では官僚として出世が望めず辞表を提出したが、文氏は逆に昇進させ、日本産水産物禁輸をめぐるWTOでの「逆転勝訴」などの成果を生んだというものだ。

 最終2候補の比較では、安徳根(アン・トックン)ソウル大教授は聯合に対し、通商交渉におけるオコンジョイウェアラ氏の経験不足を指摘。現職として東アジア地域包括的経済連携(RCEP)など多国間交渉に携わる兪氏が「資質や力量を高く評価されている以上、勝算は十分とみる」と述べた。

 韓国紙毎日経済は、WTOにおける開発途上国と先進国の対立に着目。「途上国の支持を受けるアフリカ候補は先進国の支持を受けづらい」と解説し、「兪氏が陣営間対立を仲裁する役割を十分果たせると証明できれば、勝算がある」との見通しを立てた。

 事務局長は11月7日までに選出される予定だが、直前の米大統領選が影響する可能性もある。安教授はトランプ大統領が再選されれば、中国の影響力が強まるアフリカの候補について「強く反対する」と予想する。逆に、聯合は多国間貿易体制を支持するバイデン前副大統領こそ「WTOを通じて中国を牽制(けんせい)する」と主張。同氏の当選が兪氏の追い風になるとの見解を示した。(時吉達也)

関連トピックス

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ