PR

ニュース 国際

米最高裁判事指名のバレット氏 妊娠後期の中絶 違法化に余地

米上院司法委員会の公聴会で意見を述べる、最高裁判事に指名されたバレット連邦控訴裁判事=14日、ワシントン(AP)
米上院司法委員会の公聴会で意見を述べる、最高裁判事に指名されたバレット連邦控訴裁判事=14日、ワシントン(AP)

 【ワシントン=平田雄介】米最高裁判事に指名された保守派のバレット連邦控訴裁(高裁)判事が、自らの人事承認をめぐる上院司法委員会の公聴会3日目の14日、女性の堕胎の権利を認めた1973年の最高裁判例を覆されることのない「最上の判例」とする見方を否定した。妊娠後期の中絶の違法化など将来的な判例の変更に余地を残す発言と受け止められており、今後、波紋を広げそうだ。

 バレット氏は敬虔(けいけん)なカトリック信者で、妊娠後期の中絶に反対するトランプ大統領が指名した。バレット氏は公聴会で、判事の役割を「憲法や法律を書かれたとおりに解釈し、適用する」と語り、個人的な信条が「判決に影響を与えることはない」と証言してきたが、判事としても「ロー対ウェード」と呼ばれる73年の判例に疑義を呈した形だ。

 バレット氏は学者としてもかねて73年の判例に疑問を示しており、4年前に南部フロリダ州の大学で講演した際の質疑応答で「女性の堕胎の権利そのものが将来的に変更されるとは思わない」と答える一方、妊娠後期の中絶や診療規制の在り方については「変わる可能性がある」との見解を示していた。

 14日の公聴会では、共和党のグラム委員長が「米国の歴史で、恥じることなく(胎児の生きる権利を擁護する)プロライフの見解を示す女性を指名したのは初めて」と指名人事に賛成する姿勢を明確化した。

 バレット氏の指名人事が承認されれば、最高裁判事の構成(定員9人)は保守派6人、リベラル派3人となる。妊娠中絶の合憲性を問う訴訟が最高裁に持ち込まれた場合に、73年の判例に変更を迫る判決が出る公算が大きくなる。

 ただ、妊娠中絶が違法化されれば、レイプなど性的暴行の被害者の堕胎も認められなくなるため、米国民の警戒感は強い。73年の判例で妊娠中絶が合法化された結果、望まれない子どもが生まれる確率が下がり、90年代の犯罪件数の低下につながった(シカゴ大のレヴィット教授)との研究もある。米国の健康問題に取り組む政策機関「カイザー家族財団」が1月に発表した世論調査では回答者の7割が73年の判例の維持を望んでいた。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ