ミシガン州知事誘拐を企てた13人逮捕 厳格コロナ対策に反発
【ワシントン=黒瀬悦成】米連邦捜査局(FBI)など司法当局は8日、中西部ミシガン州のウィットマー知事(民主党)の誘拐を企てた疑いで、民兵組織のメンバーを含む計13人を逮捕したと発表した。容疑者らは、ウィットマー氏による厳格な新型コロナウイルス対策に反発したことなどが犯行の動機であるとしている。
FBIなどによると、民兵組織のメンバーらは11月3日の大統領選前に同氏を誘拐し、人里離れた場所で同氏を一方的に「裁判」にかけることを謀議していた。
メンバーらは8月に少なくとも2回にわたりウィットマー氏の別荘を下見したという。また、同氏を別荘から誘拐する際、離れた場所にある高速道路の陸橋を爆破して警察の注意を引き付けることも計画し、爆破に使用する簡易爆弾の実験もしていたとされる。
メンバーらはウィットマー氏の殺害にも言及していたほか、約200人程度の人員を集めて州都ランシングにある州議事堂を占拠し、同氏や州当局者を人質にとることも一時は検討していたという。
トランプ大統領と共和党はウィットマー氏の新型コロナ対策を行き過ぎと批判していた。
一方、同氏は8日の声明で、トランプ氏が右派の過激勢力を明確に非難しないことが事件の背景にあるとの認識を示し、トランプ氏も「同罪だ」と批判。これに対しマクナニー大統領報道官は「とんでもない言いがかりで(社会を)分断する発言だ」と反発した。