PR

ニュース 国際

コロナで需要減、毒殺で欧米と対立 露の天然ガス戦略暗雲

ロシアのプーチン大統領は天然ガスの販路の多角化を急いでいる(ロイター)
ロシアのプーチン大統領は天然ガスの販路の多角化を急いでいる(ロイター)

 【モスクワ=小野田雄一】ロシアの外貨獲得を担ってきた天然ガス事業が困難に直面している。新型コロナウイルスの影響でガス需要が急減する中、露反体制派指導者の毒殺未遂事件で建設中のロシア-欧州間の新パイプラインは稼働に暗雲が垂れ込めた。ロシアが有望な輸出先とみなすトルコでもガス田が発見された。主要輸出先の欧州でも今後のロシアのシェア低下が予測され、ロシアは販路多角化を急いでいる。

 国際エネルギー機関(IEA)は6月、新型コロナの影響で、2020年の世界のガス需要は19年から1500億立方メートル減少し、3兆8500億立方メートルになるとの見通しを公表。新型コロナのガス需要への悪影響は25年まで続くとした。

 需要減で価格も下落。主要ガス市場では一時、新型コロナ前の3分の1程度となる100万BTU(英国熱量単位)当たり2ドル以下まで値下がりし、現在も安値が続く。政府歳入の約4割を石油・ガス産業からの税収に依存してきたロシアには痛手だ。

 その上、ロシアはドイツと結ぶ新たなパイプライン「ノルドストリーム2」をめぐる問題にも直面している。同パイプラインは9割まで完成しながら、昨年12月に米国が建設事業への制裁を決めたことでパイプ敷設に携わっていたスイス企業が撤退。当初は今年半ばを予定した稼働開始は来年以降に延期されていた。

 そこに大統領選後の混乱が続くベラルーシ情勢や露反体制派指導者ナワリヌイ氏の毒殺未遂事件をめぐるロシアと欧米の対立激化が追い打ちをかけた。米国や欧州連合(EU)諸国からは対露制裁の一環として同パイプラインの建設凍結を求める声が出ている。国際的な船舶保険機関「IG P&I」も9月、建設に携わる船舶の保険を受け付けないことを決めた。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ