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ドイツ統一30年 旧東独に残るソ連の亡霊 ナチスの地下壕、空軍司令部に

旧東独ビュンスドルフで、ソ連軍に破壊されたナチス国防軍基地前で説明するホフマンさん(三井美奈撮影)
旧東独ビュンスドルフで、ソ連軍に破壊されたナチス国防軍基地前で説明するホフマンさん(三井美奈撮影)
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 ドイツは3日、再統一から30年を迎えた。東西冷戦中、ソ連軍約40万人が駐留した旧東独には今も、かつての記憶が刻まれている。ブランデンブルク州ビュンスドルフに、東側防衛の最前線だったソ連軍基地跡を訪ねた。(三井美奈)

 ビュンスドルフはベルリンの南約30キロ、人口約6千人の静かな町だ。ここはソ連軍第16航空軍の本拠地で、軍人や家族ら約7万5千人が住んでいた。

 かつての司令部は、森の中の地下壕にあった。約30センチの分厚い鉄扉を抜けると、壁一面がさびた通信機器で覆われている。受話器や暗号発信機もあった。東欧一円を管轄していた。

 地下壕は深さ約10メートル。訪れたのは8月だったが、底冷えがしてセーターが必要なほど。案内役のハンスアルベルト・ホフマンさんは「ここはかつて、ナチス国防軍の地下司令部でした。ソ連が占領後、改造して再利用したのです」と話した。

 暗闇の中、懐中電灯を頼りに廊下を行くと、ペンキの剥がれた小部屋がいくつも連なっていた。突然、ドーム形の大広間が出現する。天井の高さは5メートル近い。核戦争に備えたシェルターを兼ねたのか。フロアの廊下は60メートルあるという。

旧東独ビュンスドルフに残る旧ソ連軍の地下壕(三井美奈撮影)
旧東独ビュンスドルフに残る旧ソ連軍の地下壕(三井美奈撮影)
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 地上に出ると、壕の周囲にコンクリートの巨大ながれきが、あちこちにある。かつてのナチス国防軍基地で、ソ連軍が破壊した当時のまま残されていた。古びた机の上に、独軍が使った箒(ほうき)や長靴、腕時計が並べてあった。

 ビュンスドルフは20世紀初め、帝政ドイツ時代に独軍の訓練施設が建設された。ナチス時代を経て、ソ連軍が接収した。将校たちが集った館の前には、いまも巨大なレーニン像が立つ。広い室内プール、赤いビロード席が並ぶ劇場もあった。ホフマンさんは「当時、この辺りは『リトル・モスクワ』と呼ばれ、東独住民は近づけなかった。中の様子を知ったのは、冷戦が終わってからです」と言った。

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