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【主張】国際機関トップ 政府一丸で人材送り出せ

記者会見するテドロスWHO事務局長=7月3日、スイス西部ジュネーブ(共同)
記者会見するテドロスWHO事務局長=7月3日、スイス西部ジュネーブ(共同)

 国連の専門機関など国際組織の運営に日本が主体的にかかわることは、日本が多国間協調を目指していく上で欠かせぬ前提となる。

 このために国際機関のトップや要職の獲得に戦略的に取り組む。それは菅義偉政権が目指すべき優先課題といえる。

 自民党の「ルール形成戦略議員連盟」(会長・甘利明税制調査会長)が先にまとめた政府への提言には意義があろう。議連は政府一丸で国際機関に人材を送り込む態勢づくりを求めた。

 これは国際社会での日本の存在感を高めるだけでなく、中国による国際機関の「私物化」を阻む上でも有効な方策だ。菅内閣は、その具体化を図るべきである。

 議連は、トップ候補に閣僚経験者らを検討するよう提言した。各国首脳らを相手にするトップには豊富な政治経験や人脈が求められるからだ。海外の候補には閣僚経験者が多く、官僚中心の日本が見劣りすることはよくあった。

 人選は外務省と連携の上、全省庁を俯瞰(ふかん)する内閣官房が主導するとした。候補者は経験を積み、適切な肩書で選挙に挑む。10年、15年単位の取り組みだ。候補の裾野を広げるため各省庁に定員とは別枠の人員確保も求めた。

 国連の専門機関は15あるが、現在、日本人トップはゼロだ。中国人トップは国際民間航空機関(ICAO)、国際電気通信連合(ITU)など4機関を占める。これだけ多くのポストを同じ国が手中にすることは前例がない。

 問題は、中立・公正であるべき組織に国際社会の利益とは異なる中国の意向が反映され、中国が望む組織運営やルール作りが進められつつあることだ。

 ICAOでは中国人トップの就任後、台湾締め出しが顕著となった。世界保健機関(WHO)も香港出身者の事務局長下で同じ動きがあり、中国寄りとされる今のテドロス氏(エチオピア出身)の下でも続いている。中国は自国製顔認証システムなどが国際標準となるようITUに提案している。

 国際組織が特定国の思惑を後押しすることは許されない。来年にはICAOや国連教育科学文化機関(ユネスコ)など複数のトップ選挙がある。自由、民主主義、人権を普遍的価値とする国際秩序を守るためにも日本は自前候補を出すか、米欧と連携して選挙戦に積極的に関与すべきである。

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