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習氏の「実質ゼロ」発言、国連歓迎も実現性は未知数 温室効果ガス

中国の習近平国家主席(新華社=共同)
中国の習近平国家主席(新華社=共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】地球温暖化をめぐり、中国の習近平国家主席は2060年までに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を表明した。国連が24日に開いた気候変動に関するオンライン会合では、グテレス事務総長が中国と、今月半ばに温室効果ガスの新たな削減目標を発表した欧州連合(EU)を紹介して「勇気づけられた」と歓迎したが、実現性を疑問視する声も出ている。

 習氏は22日、国連総会で行ったビデオによる一般討論演説で、30年までに排出量が減少に転じる「ピークアウト」を達成し、60年までに排出量と除去量の差し引きをゼロにする「実質ゼロ」を実現するとした。トランプ米政権が温暖化対策に後ろ向きな中、環境分野での存在感を拡大する狙いがあるとみられる。

 24日のオンライン会合では、環境問題に関心が高い欧州の参加者が中国を評価した。英国のジョンソン首相は「世界に向けた力強いメッセージになる」と言及。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」策定に携わったフランスの元大使も「他国も後れをとってはならない」と持ち上げた。

 習氏の発言が好意的に受け止められたのは、各国が新型コロナ対応に追われる中で、地球温暖化への取り組みが後回しになるとの懸念からだ。米西部カリフォルニア州のニューソム知事は23日、35年までにガソリン車やディーゼル車の新車販売を事実上禁じる行政命令に署名したが、世界の取り組みは停滞気味だ。

 ただし、中国が設定した目標の効果や実現性を疑問視する意見もある。

 科学者らで作る国際研究機関「クライメート・アクション・トラッカー」は、中国が「60年までの実質ゼロ」を実現すれば2100年までの気温上昇がこれまで予測した2・7度から、2・4~2・5度に抑えられると分析。それでも、パリ協定が掲げる目標の「1・5度」には届かない。

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