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米中対立の国連総会、交錯する思惑 創設75年、機能不全に懸念

国連総会一般討論演説が始まる中、空席が目立つ総会議場=22日、米ニューヨークの国連本部(国連提供、共同)
国連総会一般討論演説が始まる中、空席が目立つ総会議場=22日、米ニューヨークの国連本部(国連提供、共同)

 【ニューヨーク=上塚真由】22日にビデオ上映による一般討論演説が始まった国連総会で、各国首脳らからは米中対立への思惑も絡め、米国の自国第一主義への批判や国際協調主義への支持が上がった。中国の存在感が高まる中、理念とする人権の保護を含め、国連は役割を果たせるのか。創設75年の節目に機能不全への懸念も強まっている。

 「イランは、米大統領選や米国内政治の交渉カードではない」。イランのロウハニ大統領は22日のビデオ演説でこう強調した。トランプ米大統領が11月の大統領選を控え、対イラン強硬策を支持固めに利用していると批判したものだ。ロウハニ師は演説の大半を、核合意を離脱し、対イラン制裁を強化した米国の一国主義的な行動の非難にあて、対抗姿勢を鮮明にした。

 ただ、米国は国連安全保障理事会で対イラン武器禁輸措置の延長を目指したが、主要国が賛同せず、失敗した。ロウハニ師は米国の試みを阻止した中国とロシアに感謝の意を示し、「米国のいじめに『ノー』を突き付ける時代だ。(米国の)覇権の時代は終わった」と言い切った。

 一方、国連が掲げる「多国間主義の再生」への支持を強調したのが、ロシアのプーチン大統領だ。

 同氏は5年ぶりとなった一般討論演説で、世界的な新型コロナウイルス危機への対応には「協調することが唯一の解決策」と言及し、ロシアが欧米に先駆けて開発したとするワクチンを基に各国と協力する用意があると表明。ハイレベルの国際会合の開催も提案し、ワクチン開発での存在感をアピールした。

 プーチン氏は「地域の危機や紛争を平和的に解決することに貢献し、戦略的安定を確保するためあらゆる努力をしたい」とも強調。米中の対立激化を尻目に、ロシアの国際的な影響力を高めようとの狙いがにじみでた。

 米中双方との協力関係を模索してきた欧州からは、米中対立に国際社会が巻き込まれることへの強い危機感が聞かれた。

 フランスのマクロン大統領は22日の演説で、「米国と中国にどれだけ大きな影響力があったとしても、世界は米中の対立関係の縮図になってはならない」と指摘。その上で「新たな秩序をつくる必要がある。欧州がその責任を負わなければならない」と述べ、欧州主導で問題解決に取り組む必要があると訴えた。

 一方、マクロン氏は中国当局によるウイグル族らイスラム教徒少数民族に対する人権弾圧を取り上げ、「基本的人権は西側諸国の考えではなく、国連の原則だ」と、国連主導の国際視察団を新疆ウイグル自治区に派遣することを求めた。だが、中国が国連で影響を強める中、実効性のある調査が実現するかは不透明だ。

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