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トランプ政権、「平和と繁栄」のメリット訴え積極外交 米中東戦略が歴史的前進

15日、米ホワイトハウスの大統領執務室で並ぶ(左から)アラブ首長国連邦のアブドラ外務・国際協力相、トランプ米大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、バーレーンのザヤニ外相(ホワイトハウス提供・ゲッティ=共同)
15日、米ホワイトハウスの大統領執務室で並ぶ(左から)アラブ首長国連邦のアブドラ外務・国際協力相、トランプ米大統領、イスラエルのネタニヤフ首相、バーレーンのザヤニ外相(ホワイトハウス提供・ゲッティ=共同)

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権の仲介によるイスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーンとの国交正常化は、「イスラエル防衛」と「イラン包囲網構築」という2大方針に基づくトランプ政権の中東戦略が歴史的前進を果たしたことを意味する。米政権は、イランに対する「最大限の圧力」を堅持する一方、中東情勢の安定化を通じた米軍撤収を引き続き目指す考えだ。

 米国の仲介によるイスラエルとアラブ国家との関係正常化は、クリントン政権下の1994年にイスラエルとヨルダンが平和条約を締結して以来26年ぶり。この日の合意は、78年のイスラエルとエジプトによるキャンプデービッド合意とも並ぶ歴史的転換点となる。

 トランプ政権の中東安定化構想は、軍事と外交の両輪で成り立っている。

 米政権はまず、シリアとイラクのイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に対する有志連合の掃討作戦を主導し、最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者を殺害した。

 今年1月には、イラクやシリアで多数の米兵を殺害したイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害。司令官は中東のシーア派武装組織に軍事支援を行っており、司令官殺害でイランのテロ遂行能力は一気に低下した。

 米軍による中東でのテロの脅威の排除に並行し、トランプ大統領は娘婿であるクシュナー大統領上級顧問らによる中東外交で、「反イラン」を手掛かりにイスラエルとスンニ派アラブ諸国の大同団結を促した。

 ワシントンの中東専門家などから「素人の火遊び」と揶揄(やゆ)されてきたクシュナー氏らの積極外交が奏功したのは、イスラエルとアラブ諸国に「平和と繁栄」のメリットを明確に提示できたことが大きい。

 例えば、イスラエルは今後、UAEの金融部門や原子力産業、世界水準の空港や港湾へのアクセスが可能になる一方、UAEもイスラエルの最先端ハイテク産業との提携が見込める。

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