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米中、貿易戦争からハイテク覇権争いへ ファーウェイ「禁輸」

 【ワシントン=塩原永久、北京=三塚聖平】米国が中国の華為技術(ファーウェイ)への半導体供給を厳格に禁じる中、米国と中国の対立の局面は、高関税発動を応酬した昨年までの貿易戦争から、ハイテク分野の覇権を左右する半導体やデータをめぐる主導権争いへと変化している。米国が華為や動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」などに照準をあてる一方、中国も対抗姿勢をみせており、激しいせめぎ合いが続いている。

 米政府が15日施行した華為への輸出規制強化は「想定以上に踏み込んだ措置」(通商関係者)とされる。華為は米半導体メーカーの有力顧客で、米国内の反発も小さくないためだ。

 トランプ米大統領は今年1月に中国と貿易協定で合意するまで、中国の輸出品に幅広く高関税を課して圧力をかけてきた。だが、中国も大豆などの米農産品に報復関税をかけ、トランプ氏にとって痛み分けの側面がある。

 こうした中、トランプ政権は今春以降、華為への禁輸強化や、ティックトックの米国事業売却を命じた。背景にあるのは通信網やアプリを通じた米国からのデータ流出が「安全保障を脅かす」との警戒感だ。

 ただしトランプ氏の動きからは、第5世代(5G)移動通信システムで先行する華為や、人工知能(AI)などで有力技術を持つティックトックに揺さぶりをかけ、中国のハイテク覇権を押さえ込む思惑もにじむ。特定の中国企業を攻撃することで、高関税の応酬による米景気への悪影響を抑えられる利点もある。

 一方、中国も半導体の国産化を推進するほか、データの保全に関する国際的な基準の策定を呼びかけるなど、先端技術の分野で米国の攻勢に対抗する構えだ。華為による半導体の調達については、中国の半導体受託製造最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)などに委託先を切り替えるとの観測も伝えられている。

 また中国政府もティックトックなど膨大な利用者データを抱える中国IT企業への米国の圧力に対抗し、先端技術の輸出規制に動く。8月下旬に公表した規制強化はAI関連技術を規制対象に加えた。アプリの頭脳として膨大なデータを処理する優れたAIを米国側に譲り渡すことは容認しない姿勢を示したとの見方が強い。

 もっとも、中国政府が取り組む国産半導体構想は、成果が出るまで時間を要するとみられている。ティックトックの米国事業の売却交渉では、ティックトック運営企業が事業買収を前提としない米オラクルを提携先に選び、中国側の主導権を残したい意向も見え隠れする。残り50日を切った大統領選の動向もみすえながら、中国側も硬軟両様の神経戦を展開している。

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