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【安倍政権を振り返る】EUの信頼、対北朝鮮の成果 前大統領らが語る

ドナルド・トゥスク前EU大統領(三井美奈撮影)
ドナルド・トゥスク前EU大統領(三井美奈撮影)
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 安倍晋三首相の対欧州連合(EU)外交について、ドナルド・トゥスク前EU大統領が振り返った。対北朝鮮政策については米国のエバンズ・リビア元筆頭国務次官補代理が語った。

◎G7の緊張和らげた 前EU大統領のドナルド・トゥスク氏

 安倍晋三首相が辞任を表明した日、欧州連合EU本部のあるブリュッセルで私の会った人たちはみんな「そんなこと、ありえない!」と衝撃を語った。欧州にとって、アベという名前は日本政治と切り離せなかったからだ。安定し、筋道の通った責任政治の象徴だった。

 日欧関係で安倍首相の最大の功績は、2018年の日本とEUの経済連携協定(EPA)締結だ。トランプ米政権の発足や英国のEU離脱決定で「反グローバル化」の逆風が強まる中、世界最大級の貿易圏を実現した意義は大きい。

 安倍首相が自ら交渉に乗り出さなければ、不可能だった。国際社会の協力や合意はまだ可能なのだと示し、世界に希望を与えた。民主主義と法の支配、自由を信じる陣営を勇気づけた。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)では、米国が交渉を去った後、粘り強く結実させた。

 安倍首相はトランプ大統領と個人的な関係を築きながら、欧州ともかつてないほど深い関係を作り上げた。トランプ氏の欧州たたきを懸念し、先進7カ国(G7)首脳会議で参加者みんなの感情を鎮め、緊張を和らげてくれた。

 時間をかけてトランプ氏を説得し、ゴルフで親密な関係を築いたことが、国際政治での手腕発揮につながった。安倍首相はかつて、私に「何があっても日米関係は悪化させない」と話していた。

 安倍首相と最後に会ったのは昨年、国連総会が開かれたニューヨークだった。私がEU大統領の任期を終える直前で、多忙なのに送別夕食会を開いてくれた。会場はトランプ・タワーだったので、2人で(トランプ氏との交渉を回想して)ジョークを交わした。

 昨年6月、大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議での会話も忘れ難い。私は広島、長崎を訪れたと話し、故郷グダニスク(ポーランド北部の港湾都市)も第二次大戦で90%が破壊されたのだと言った。安倍首相は大変心を動かされた様子で、被爆地を訪れてくれてありがとうと述べた。彼はタフな愛国主義者である一方、紛争回避に尽力した人だ。

 安倍首相の後継者には引き続き、国際社会の合意作りを目指してほしい。(パリ 三井美奈)

【プロフィル】

 ドナルド・トゥスク 1957年、ポーランド北部のグダニスク生まれ。社会主義体制下で自主管理労組「連帯」に参加。89年の民主化を経て、2001年に中道右派政党「市民プラットフォーム」結成。07~14年にポーランド首相、14~19年にEU大統領を務めた。

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